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【映画レビュー】ザ・ロストシティ

元売れっ子作家の女性とおっちょこちょいマッチョのアクションコメディー。トレジャーハント要素も少しある。

物語の構造として、優秀で魅力的な男性が次々と問題を解決していく主役で、その脇に見た目が魅力的な女性を添える事は割とある。そして現在のポリコレの波によって、それとは逆の構造が少しずつ増えつつあるのだろう。
この映画も、優秀で魅力的な、事件を直接解決する主役は女性だ。ロマンス作家として過去にヒット作を持つが現在は人気に陰りが見え、シリーズの最新作も苦労してやっと書き上げる。そのシリーズの表紙を飾るモデルの男が添え物のパートナーだ。バカでおっちょこちょいだが見た目は素晴らしい。
女性が主役として活躍し男性が添え物となる時、男性をおバカにしすぎるとリメイク版『ゴーストバスターズ』みたいに違和感が生まれてしまう。この映画は、そこまでではない。でもドジな所がかわいくて魅力に感じる所まではハマりきれない感じだった。同じチャニング・テイタムの作品なら『マジック・マイク』の方が断然魅力的だ。

主役の二人には完全にはハマり切れない部分もあったが、脇役はとんでもなく魅力的だ。主役の作家のエージェント女性は最初は口うるさいだけに思えていたのに仕事に掛ける情熱を知っていってどんどん感情移入していく。ダニエル・ラドクリフの悪役っぷりも、ブラッド・ピットのイケオジっぷりもとても効果的だ。

ストーリーとしては、よくあるアクション映画という感じで傑作ではないが凡作という程でもない面白さはある。一般的なアクション映画では倒された敵を気にも留めないが、主役の二人がうっかりやり過ぎて気にしている所などは人間らしくて共感できる。もちろん、バッタバッタと敵を討つシーンもある。
お宝探し要素も少しあるが、ミステリー的な謎解き要素はほとんど無く、アクションの理由付けという程度だ。

ジャングルの景色の中でアクションを繰り広げる、大作映画らしい画作りも魅力だ。ラブ要素とコメディ要素とアクション要素がちょうど良く混ざり合った、明るい物語だった。

『ザ・ロストシティ』 2.5

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