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【映画レビュー】バッド・デイ・ドライブ

派手でもない、よく練られている訳でもない、アクションともサスペンスともつかないようなぼんやりした映画。アマプラの目立つ位置にあったので話題作なのかと思ったけど、そういう訳でもなさそうだ。

リメイク作品らしいが、原作は知らない。
おそらく投資ファンドの重役であろう主人公の男性が、自分の車に爆弾を仕掛けられて脅される話。そんな日に限って息子と娘を学校に送っていくために同乗させていて、子どもたちを巻き込んでしまう事になる。
テーマはこういう映画にありがちな、機能不全家族がピンチを経て心を通わせ、家族の絆を取り戻す事だろう。正直、メインテーマとしては平凡すぎるけど、それ以外の要素がぼんやりしていてテーマらしいテーマがこれしかない。平凡でよくあるテーマではあるけど、今まで仕事にかまけて家族をないがしろにしていたであろうエリートが、いざという時に懸命に家族を守ろうとする、その姿に家族も感化されていく様子はベタだが良い。

ただやっぱり、それ以外の要素がもう少し欲しい。例えばこの映画の多くのシーンは主人公と子どもたちが乗っている車の中だ。ずっと車の中にいるなら当然期待されるカーアクションも、あるにはあるが僅かなシーンだけだ。乗っている車には爆弾が仕掛けられているが、その緊迫感もあまり感じなかった。緊迫感を煽るような演出って、難しいんだなぁと思った。そして、その爆弾を仕掛けたのは誰なのか?犯人の目的は?というミステリー要素も弱い。推理させるような作りでもないし、明らかになった時の驚きみたいなものも薄い。むしろがっかりした。ものすごいイケメンや美女が出てくる訳でもないし、そうじゃない一見普通っぽい人が作品の力でものすごく魅力的に見えたりするような事もない。まあ、主人公は頑張ってはいたけど、見終わった時にはすっかり惚れ込んでしまった!という程ではない。

そういう要素はおまけ程度で良いと思わせるようなメインテーマがきちんと描かれていれば、今挙げたような要素は薄くても構わない。でもメインテーマが平凡で、その他の要素も薄いので、どうしても満足感が下がってしまった。

『バッド・デイ・ドライブ』 2.5

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