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【映画レビュー】あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら

個人的な感想としては、特攻隊スイーツ映画とか戦争スイーツ映画みたいなジャンルの作品かなぁという印象。戦争映画は全く好きなジャンルじゃないし、この映画にも全く期待していなかったけど、それでもちょっと出来が悪すぎるなぁ……あんなにバリバリ宣伝打ってたのになぁ……というガッカリ感は否めない。

本当によくある戦争もの、特攻隊もので、そして戦争ものの中でもよく見られるタイムスリップものだ。その中でも特に恋愛要素が多く描かれている事と、設定や時代考証やストーリーなど全てにおいて粗さが目立ってスイーツ映画という感じが色濃く出てしまっている。正直、個人的にはスイーツ映画はスイーツ映画としてそのクソっぷりを楽しみたいタイプなのだけど、題材が戦争や特攻隊なだけにそういう茶化し方もできないのが辛い。

この映画の一番の問題点はたぶん、福原遥ちゃん演じる主人公の女子高生に全く共感できない事だと思う。彼女に全く魅力を感じないし、高校生とは思えない幼稚さを死にゆく特攻隊員たちにぶつけることに腹立たしさすら感じてしまった。そういう若くて無知な事が結果的に上手く作用する事もあるけど、そういうポジティブな要素もなく、ただ日本は戦争に負けるとか特攻に意味はないとか言いまわって周囲を困惑させる事に不快感を覚えた。こういう映画が主人公を魅力的だと思えないのは結構致命的だと思う。そんな魅力のない主人公に、どうして好意を寄せたり助けたりするのだろうと思わせてしまうのだから。

恋愛パートも特に良くないというか、その時代を反映した奥ゆかしさとか甘酸っぱさを感じられない現代のスイーツって感じ。さすがにもうちょっと史実を調べた方がいいんじゃないかと心配になるような甘々でご都合主義な時代考証。特にタイムスリップ前後にある現代パートの長ったらしさ。予想通りすぎるストーリー。何がトリガーだったのかハッキリしないタイムスリップ。全体的に、高校生が作ったのかな?みたいな稚拙さを感じた。

まあでも、別にいいんだ。私は斗亜が見たくてこの映画を見ただけだから。わっしょいCAMP!の配信で坊主頭見た瞬間から戦争ものの作品に出演するんだろうと予想できて、見たいと思ってた作品だったから見れて良かった。思ったより斗亜の見せ場もあったし、若いうちにこういう大作に参加できたのはすごく良い経験だろうと思うし。

でも、公開時にかなり宣伝を打ちまくってたこの映画ですらお金ないんだなぁ……と思わせるようなシーンが散見されて、最近の日本映画や日本のドラマにどんどんお金が集まらなくなっている現状をまた寂しく感じた。

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら』 2.0

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