【映画レビュー】ある閉ざされた雪の山荘で
なんか自分の好きじゃない要素がたくさんある、合わない映画だったなぁという印象。自分には合わないだけで、この映画を好きな人もたくさんいるだろうけど。
冒頭セリフのない短いシーンがあるんだけど、次のシーンで役者たちがしゃべり出した瞬間にあぁこの映画は合わない、と思った。セリフが自分に合わなすぎる。本当に短い、3人くらいしゃべった時点で生理的に合わないと確信した。脚本が悪いのか監督が悪いのか、こういう映画やドラマってたまにある。役者は悪くない。だって、誰か一人のセリフがウザい訳ではなくこの映画のすべてのセリフが自分に合わないし、他の作品に出ている時にこの違和感はないのだから。
でもこのウザいセリフまわし、ある意味本当にリアルだと思った。と言うのも、メインキャスト達は劇団に所属する舞台役者という役どころなのだけど、私の中で劇団の人たちってこういうウザいしゃべり方するんだよなぁっていうど真ん中のしゃべり方だった。私は劇団には全然詳しくないのだけど、自分が今まで生きてきた中での数少ない劇団にいる人との接点って全部印象が悪くて、売れない劇団員ってみんなこんな感じだ。芝居に対してプライドが高くて、ちょっと認知が歪んでいて、そしてとにかく会話がめちゃくちゃつまらない。私が出会った少ないサンプル数でそう思っているだけで、そうじゃない人もたくさんいる事は理解しているけど、私の印象そのままのキャラクター達が映画の中に再現されている事には驚いた。
セリフだけでなく、ストーリーもあまり楽しめなかった。やはり自分はミステリー自体を楽しむタイプじゃないんだなと思った。謎解きに楽しみを見出せないというか、その状況に至るまでの人間関係のもつれ方とか、極限状態でキャラクターがどんな反応をするかみたいな部分を楽しみたいタイプで、ミステリーってそれを起こすための構造でしかないからそれ自体に楽しみをさほど感じないのだと思う。だから、構造自体はちょっと複雑だけどありがちな人間関係のもつれを描いているこの作品は私には合わなかった。
演出も、なんだかチープだなと思った。最初の人物紹介に象徴されるように、状況を理解させるのが下手だなぁと。それと、全ての謎が解き明かされてからが冗長すぎやしませんかね?もうちょっとスパっと終わった方がいいよ絶対って最後の10分くらいイライラしてた。
まあ、でもこの映画が好きな人も多いとは思う。
『ある閉ざされた雪の山荘で』 2.0