お料理とやさしい日本語
やさしい日本語 Advent Calendar 2024 13日目の記事です。
過去にも子どもにまつわるやさしい日本語について書いています。
今回はお気に入りの子ども向け料理本をご紹介します。
とびきりおいしいおうちごはん
たまたま観ていたテレビで「とびきりおいしいおうちごはん」という料理本が紹介されていました。
「小学生からのたのしい料理」という副題がついているとおり、この本のターゲットは小学生。表紙のオムライスのイラストがとても美味しそう。
読み応えもあり、大人も存分に楽しめる内容。
あらゆる部分が素晴らしいのですが、特にやさしい日本語の視点で良いと思ったところをピックアップします。
すべての漢字にふりがな
小学校1年生で習う漢字にも、すべてふりがながふられています。
全体的にひらがなを多用していて、わかりやすい言葉で書かれているように見えます。
たとえば、「ちがい」「ためす」「まぜます」「いためます」などは、ひらがなになっています。
「煮こみます」は漢字になっていましたが、これを漢字にしてあるのは「15分ほどにこみます」だと意味が捉えにくいからかな?と思いました。
簡単なことばと絵本のようなイラストのレシピ
出版社のページ「とびきりおいしいおうちごはん」より
調理工程はシンプル。すべてイラストで描かれています。
調味料を入れる工程には「大さじ小さじ」や「計量カップ」のイラストが挿入されていて、調味料を入れるタイミングも一目瞭然です。
大人向けのレシピであれば「野菜は1cm角に切る」「野菜はさいの目切りにする」と書かれるような部分も、この本では、小さくカットした野菜のイラストとともに「野菜を切ります。大きさや形はきちんとそろえなくても大丈夫。」と書かれていました。
完成品の写真とイラストを見れば、野菜を小さく切る必要があることは理解できそうです。
「1cm角」「さいの目切り」という言葉を説明しようとすると、「一辺の長さが1cmで、さいころのように立方体に切ったもの」とか「1cmぐらいの、さいころのような形に切ったもの」でしょうか。
言葉で説明するよりも、絵のほうが理解しやすいかもしれませんね。
あと、個人的に私がよく見落とす「フライパンに蓋をして〜」という工程。これも、蓋なしのフライパンから、蓋をしたフライパンのイラストに変わるので直感的だと感じました。
食についてのコラムや基本的な解説、読み物としてもおもしろい
食にまつわるコラムや、お肉の部位、野菜の切り方、料理の道具や調味料なども、すべてイラストとシンプルな言葉で説明されているので、子どもはもちろん、日本の調理道具などに不慣れな外国の方にもとてもわかりやすいのではないかと思いました。
とても素敵な本なので、本屋さんで見かけたらぜひ手にとってみてください。
外国人向けのレシピサイト
ひらがなレシピ | 外国人に日本の家庭料理を伝えるレシピサイト
やさしい日本語で書かれたレシピに、ふりがなをつけることができます。調味料や道具の紹介もあって、とてもわかりやすいです。
子ども向けのレシピサイト
きっずキッチン | キッコーマン株式会社
レシピページ自体は大人向けですが、子ども向けに季節の行事とそれに関する食べ物を紹介するコンテンツがあります。
https://www.kikkoman.co.jp/homecook/kids/
野菜となかよし キッズチャレンジ | キユーピー
レシピページ自体は大人向けですが、下記のページではふりがな付きでクリスマスレシピが紹介されていました。
子どもが作るレシピ | クッキングレシピ | ご家庭のお客さま | 仙台市ガス局ホームページ
子どもが作ることを前提としていて、難しい漢字は使わないレシピがたくさんありました。ふりがなもあるといいですね。
最後に宣伝
「伝えるウェブ」ならウェブサイトや文書にふりがなをつけたり、ウェブサイトをまるごとやさしい日本語へ言い換えたりすることができます。
業務でこのサービスに関わっていますが、年々やさしい日本語が浸透してきていることを感じるものの、キッズ向けのウェブサイトにももっと利用してもらえるといいなと感じています。
子どもにまつわるやさしい日本語を見つけたら、またレポートします。