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こどもとやさしい日本語

やさしい日本語 Advent Calendar 2021 の14日目の記事です。

やさしい日本語との出会い

お仕事が先か、NEWS WEB EASY が先だったか。
やさしい日本語を知ったのは、2017年だったと思います。やさしい日本語とは、私たちが普段使っている日本語を、外国人にもわかるように簡単にした日本語のことです。難しい言葉を簡単な言葉に置き換えたり、文章を短くしたり、単語の区切りがわかるようにしたりします。

やさしい日本語は、子どもや高齢者、障害のある人など多くの人に役立つとも言われています。

私が業務で関わっているのは、ウェブサイトの文章をやさしい日本語に言い換えるシステムで、つまり「文字」の世界でのやさしい日本語に取り組んできました。実際に、日本に住んでいる外国人の方とやさしい日本語でお話をするような経験はまだありませんが、機会があればなにか参加してみたいと思っています。

生活の中にあるやさしい日本語

ところで、我が家には5歳児がいます。
比較的、語彙も豊富で理解もよく、自分が喋りたいことはずっと喋っているのですが読めるのはひらがなと一部のカタカナだけ。
漢字にルビが振ってあるものは、「このひらがなの部分を読めばいいんだな」ということに気付いたようで、ちょうど昨日、ルビのついた文章を読んでいました(とはいえ、まだ一文字一文字読み上げる感じです)。

大人向けの文章を言い換えて伝える

そんな5歳児が愛する「ポケモン GO」というゲームがあります。
操作は簡単なので幼児にも十分楽しめますが、ときどき行われるゲーム内イベントのお知らせの文章などは大人向けのため私が読んであげることになります。そのときに自然とやさしい日本語を使っていることに気が付きました。たとえばこんな感じです。

「ミジュマル」が野生でいつもより多く出現します!

https://pokemongolive.com/post/communityday-sept21/?hl=ja

『ミジュマルが、いっぱい出てくるんだって』

「いつもより多く」がわかりにくそうなので「いっぱい」とか「たくさん」と言い換えています。「出現」は「出てくる」ですね。

イベント開始から終了2時間後までに「フタチマル(ミジュマルの進化形)」を「ダイケンキ」に進化させると…
※筆者注(イベントは11時から17時)

https://pokemongolive.com/post/communityday-sept21/?hl=ja

『イベントは11時から夕方の5時までね。夜の7時までに、フタチマルをダイケンキに進化させるとね…』

最近は時計が読めるようになったので、時間についてもはっきりと伝えるようになりましたが、「開始から終了2時間後まで」は難しいので、イベントの時間を伝えたあと、2時間後の時間を明確にしています。

このような言い換えは、おそらく幼児のいるご家庭では普通に行われていると思いますが、これもやさしい日本語のひとつだなあと改めて気付きました。

図書館で見かけたフレーズ

先日、隣の市に新しい図書館がオープンしたので、5歳児と一緒に行ってみました。絵本コーナーは子どもたちが少し遊べるようなスペースもあり、とても素敵な図書館になっていました。
その絵本棚の上に、こんな言葉を書いた立て札がありました。(撮影禁止だろうなと思って写真は自重)

絵本(えほん)は、絵(え)をかいた人(ひと)の順番(じゅんばん)でならんでいます。

もしかすると「絵をかいた人の名前の順番」の方がわかりやすいかもしれないなあと思いましたが、なんにせよ、子どもを含めた多くの人に伝わるようにという思いが見えて、少し嬉しくなりました。

子ども向けのウェブサイトなど

子ども向けにわかりやすい言葉やルビを用いているウェブサイト等をいくつか探してみました。

  • 災害(さいがい)に備(そな)えよう|東京都防災ホームページ
    括弧書きでふりがながついています。

  • こどものための「やさしい日本語」防災ハンドブックがあります | やさにちウォッチ
    ※和歌山大学の研究グループの取組みを紹介しているページです。

  • Yahoo!きっず
    学年別にふりがなをつけることができます。1、2年生向けは全部にふりがながつきます。

  • 水育キッズ サントリー「水育」
    ふりがな付きで表示されますが画像テキストが多く、ふりがながついていない箇所もあります。

文章をもっとシンプルでわかりやすいものに

やさしい日本語にしよう、子どもにもわかるようにしようと意識するのではなく、そもそもがもっとシンプルでわかりやすい文章が書いてあればいいのに…と思うシーンはたくさんあります。

コロナ禍で話題になった「会食」の意味も、「他人と一緒に食事をしない」「家族以外とはご飯を食べない」「食事はひとりで、または家族とだけOK」等、違う言い方ならもっと伝わったかもしれません。

役所のホームページや広報紙、学校や保育園からのお手紙もそうです。「この文章、読む人に伝わるだろうか?」と少し考えてみるだけで、世の中の文章がもっとわかりやすくなるのではないかなと思います。

そういう私も業務でメールや文章をたくさん書きますが、まだまだ日々勉強中です。まずは身近なところにいる5歳児に伝わるような表現を考えていきたいと思います(これが、めちゃくちゃ難しい)。





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