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ボーナブル(バルネラブル)の意味とは?
先日、一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会の千田恵子さんにインタビューした際、"vulnerable" (ボーナブル、またはバルネラブル)の話題になった。
日本語に直訳できない言葉なので、恵子さんは「自分の弱さを見せる」と表現し、相手との関係性において大切なことだと語った。
Vulnerableは日本語で「バルネラブル」と表記されることが多いが、発音は「ボーナブル」に近い。
以前、アメリカと日本における「障害」に対する視点の違いについて記事を書いた際、この言葉の意味を説明した。
「弱者」の代わりに英語では、「ボーナブルな人たち(people who are vulnerable)」という言い方をする。日本語にはない表現で、「弱者」とも意味が違う。ボーナブルは、障害の有無を問わず誰もが経験することだ。たとえば、言葉の話せない国に行ったとき、暗い夜道を一人で歩いているとき、風邪にかかったときなどには、ボーナブル(または、”バルネラブル”)な状態になり得る。
ボーナブルとは形容詞で、困っていたり、支えが必要だったりする「状態」を指す。誰もが経験することで、「弱い」(weak) とも意味は違う。
先日、"vulnerable" の起源はラテン語の "vulnus" だと知った。それが英語の "to wound" (~を傷つける)になったらしい。
1600年代に英語の vulnerable という言葉になり、もともとは「(身体的に)~を傷つけることができる」とか「傷つける力がある」という意味だったそう。
現在では、身体だけではなく精神的に傷つきやすい状態を指す。
恵子さんの言っていた「自分をボーナブルな状態にする」というのは、本当の自分を見せる、ということだと思う。これはセラピーを含むすべての人間関係において大切なこと。
インタビューで恵子さんは、ご両親の死やその後のグリーフについてもオープンに語ってくれた。このようなパーソナルな話を他者と共有することが、まさに彼女の言う「自分の弱さを見せる」ということなのだと思う。
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