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6月16日 初めてトランスの権利を認めた最高裁判断について

相変わらずBLM方向からは、たった19歳だった女性アクティビストのオルワトイン・“トゥイン”・サラウさんが死体で発見されたり、白人至上主義団体のアクティビティが盛んな地域で黒人男性の絞首死体が続けて発見されたり、読んでいるだけで胸が張り裂けるような事件が続いている。そして、これまでどれだけの事件が、メディアやパブリックの関心を集めきれないまま闇に葬られていったのか想像すると背筋が寒くなる。

この一連の事件については、また改めて書くとして、今日は、久しぶりにお祝いに値する昨日の最高裁判決について1日考えていた。

昨日、アメリカの最高裁は、セクシュアリティや性認識を理由に、企業が従業員を差別することを違憲とする判断を下した。

1996年の連邦最高裁判決(ローマーvsエヴァンス)は、ゲイの市民から権利を取り上げることを違法とした一方で、いまだにLGBTQの雇用を守る法律はない29州では、セクシュアリティを理由に解雇される従業員がまだ存在していて、今回の裁判は、セクシュアリティまたは性認識を公表したあとに解雇された3人の市民が原告だった。

↓アメリカのLGBTQ関連ランドマーク判決まとめ。

今回の判決が画期的なのは、原告3人のひとりが、トランスジェンダーだったことだ。男性として育てられ、5歳のときから自分の性認識は女性だったにもかかわらず、家族を持ち、アイデンティティの分裂に苦しんだ挙げ句に、カムアウトして女性として生きる道を選んだエイミー・スティーブンスさんは、何年も悩んだ挙げ句、職場の葬儀場に、女性として生きることを決断したことを伝える手紙を書き、その直後に解雇された。


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