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苦しみから楽しみへ(ビクラム・ヨガのこと)

 年末、Netflixのドキュメンタリー「ビクラムの正体」を見た。ついでに、年末時間があったので、ESPNのポッドキャスト30 for 30という番組のビクラムをテーマにしたシーズンも聞いてみた。両方とも、ビクラムヨガの教祖ビクラム・チャンドリー氏がスターダムに上り詰め、その後、セクハラ、パワハラをめぐる一連のスキャンダルに見舞われ、凋落していく様子を、関係者の証言で構築するものだった。

 私とヨガの最初の出会いは、ビクラムだった。2000年代前半、ニューヨークではまだそこまで知られていなかったビクラム・ヨガのスタジオを取材しようとしたときに「まずはやってみなさい」と言われ体験して、自分の体の硬さと、それにビクラムが及ぼす効果におののき、いっときはまっていたのであった。そういう人は、周りにも何人かいる。ビクラムを通じてヨガに目覚めるという人たちが。

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