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私的NY日報:4月16日(2018年&2019年)

(今年の日記と拙著My Little New York Timesから昨年のエントリーを合わせて掲載しています)

2019年4月16日

東京にいる若林恵さんとニューヨークをつないで、ポッドキャスト #こんにちは未来 の収録をした。何度か互いのスケジュールでリスケし、やろうと思った日にわかさんの事務所で工事が始まるなどのアクシデントもあり、三度目の正直の日にもわかさんの事務所に工務店さんがきて、結局、わかさんは路上で録音することになった。DIY感ハンパなし。

自分でやろうと持ちかけてこの企画が始まってからそろそろ半年になる。数字などを見ても、かなり聴かれているらしいのだが、スポンサーは相変わらず見つかっていない。今は持ち出しで続けているが、いつまで続くけていけるかわからないので、みなさんよろしくお願いします。

ニューヨークに戻ってくると、溜まったポッドキャストを大量に聴く。なかでもお気に入りは(しつこいけど)reply allである。テック関係の視聴者からの相談に乗ったり、ネットの世界で話題になっているけれど素人にはわかりづらい事件などを解説してくれるポッドキャストである。

今回もまとめて聞いたのだが、ときどき登場する「過去のベストエピソード」に「フェイスブックが現実世界の会話を聞いていて、それに応じて広告を出している」という疑惑を解明していく回のものがあった。いくらフェイスブックでもさすがに会話を聞かないだろうと思いたいけれど、実際、リアルにした会話の内容が広告として出てくる体験は、きっとしたことがあるだろうと思う。というわけで興味のある人は聴いてみてください。

このポッドキャストがとても好きな理由は、出てくる人たちが、自分の仕事を心から楽しんでいるのが、彼らの笑い声などから聴いてとれるからである。この人たちは、他の誰もが追求しないことを追求することに情熱をかけていて、それを心から楽しんでいる。

そう考えると、私も、お金にはなっていないけれど、ポッドキャストで、わかさんとああでもない、こうでもないと話をするのはとても楽しい。そしてお金にこそなっていないが、好きなことが“仕事”になっているのは間違いない。私の今までの経験上、やりたいことは強い気持ちがあれば、お金は後からついてくる。今回もそうだと祈って。

できてないことまだまだあるじゃん。

2018年4月16日

激しい雨の音で目が覚めた。窓から見える小川が滝のようになっている。午後に入って雨がおさまるのを待って山を降りた。仕事でLAにいる、シングルマザーの友達の息子の面倒を、午後の何時間かだけ見ることになっていたから。子供を学校に迎えにいくーー初めての経験である。どきどきしながら門のところで立っていると、友達のラーキンの姿が見えた。「ピンヒールははかない」にも登場する、プロデューサーにレイプされたことを告白したシンガーソングライターである。ラーキンの息子も同じ学校に通っていたのだ。子供を学校でピックアップし、午後のお稽古に一緒に行き、最後は柔道のクラスで別れた。何時間かやっただけで、本当にお母さんってすごいと思う。自分にはできないと強く思う。夕方、友人に紹介された、アメリカ人のライターの女性から電話がかかってきた。一人暮らしを選択しているシングル女性にインタビューして記事にするのだという。女の一人暮らしに対する偏見を感じることはある? うーん、たまにはあるかなあ。たとえば誰に? 初めて会った人に、パートナーも、ルームメートもいないって言うと、ちょっと驚かれたりとか。でもまあ、偏見っていうほどのもんでもないーーーそうやって説明しながら、私の周りには、パートナーがいたほうがいいよとか、女の一人暮らしは危ないとか、もっともらしいことを言う人がいなくてつくづく良かったと思った。ちなみに電話をくれたライターの彼女は、敬虔なカトリック家庭で育ったから、都会で暮らしシングルでいる自分を家族に理解してもらうのが大変なの、と言っていた。そう思うと、シングルマザーとか、きっといろんな偏見や親切なふりをした助言を浴びて生きているのだろうなあ。今度そのあたりをゆっくり誰かに聞いてみようっと。そういえば最近「Single mother by choice」という言葉がある。一人で育児をする、という選択をして生きている女性たちのことである。最近、そんな選択をして出産をしたキャロラインが、あまりの大変さに凹んでいた。彼女を元気づけようとオンラインで見つけたエッセイ、結婚している母たちを傷つけそうなタイトルではあるけれど、要は、親が二人揃っているほうが幸せだというのは絶対のルールではないし、そう思って無理に不幸な結婚にとどまる必要はない、ということなのだろう。

備忘録:シングルマザーのほうが既婚ママより幸せな理由は多数ある(英語)


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