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[TeaTime #13]イギリスの生活ってどう?『突然の規制強化でイスラム教徒混乱編』

昨日7月31日は、「Eid-ul-Fitr(イード・ウル・フィトル)」で、イスラム暦9月(ラマダン月)の30日間行われる断食から解放される祝祭で、イギリスに住んでいるイスラム教徒にとっても、とてもとても大切な日。キリスト教徒に例えるなら「クリスマス」「イースター」といった大切な日であろう。

ここ最近のロックダウン政策は、イギリス全土で同じルール適応させるより、ある特定地域を強化させるものになっている。例えば、レスター市(Leicester)は数週間前に「ロックダウン」に戻った。

先日紹介したスペインからの帰国者に2週間の自主隔離義務。

昨日もまたまた突然の政府の規制強化方針が発表されて、「混乱」や「怒り」を呼んでいる。

今回の、「規制強化」は、

Last night the Health Secretary announced new restrictions on household contact in the North West – specifically Greater Manchester, and parts of East Lancashire and West Yorkshire. (Prime Minister's statement on coronavirus (COVID-19): 31 July 2020 )

イギリス北西部(マンチェスター、東ランカスター、西ヨークシャー)での、家で、他の家族との集まりを制限する。

これに特に反応したのが、イスラム教徒の人たちだった。彼らは宗教上大切な日(7月31日)Eid-ul-Fitr(イード・ウル・フィトル)で、他のイスラム教徒の家族たちと集まりお祝いをする予定だったが、突然(またもや朝令暮改)の変更で、寝耳に水状態

昨日の夕方6時のBBCニュース(全国版)で、

ある地域のイスラムリーダーがインタビューに答えていた。

"Imagine it's Christmas and you get this bombshell?(クリスマスを想像してみなさい。この爆弾(仕打ち)を受け入れますか?)

"Coming together of friends and family is actually a major part of the day of Eid - it's a sharing of food and gifts and coming together."(友人や家族の集まりは、Eid日の重要な一つなのです。集まって一緒に食事を共にし、贈り物を交換したりする日なのです。)

"It's a disappointment because we've bought toys for our grandkids. Our nieces and nephews were due to travel up from Birmingham, but they won't be coming now." (これはとても失望させる政策です。私たちは、孫たちに玩具を買って準備していました。姪っ子や甥っ子はバーミンガムからここに向かうとろこでしたが、今はここに来ることもできません。)

"We've cancelled all plans."(私たちは全ての計画を中止しました。)

ある評議員は政府のやり方を批判、

"Why did the government leave it so late? Two hours before Eid, giving them little time to reconfigure," (どうしてイギリス政府はこの新政策をこんな直前まで放置していたのか。Eidが始まる2時間前なんて、彼ら(イスラム教徒)にとってあまりにも突然すぎる。)

私は1年3ヶ月間、イスラム教の家族(エジプト人)と同居したことがある。お父さんはエジプトの大学の先生で、政府派遣でイギリスの大学の博士課程で勉強していた。彼の妻と男の子二人(5歳と3歳)も一緒にイギリスに住んでいた。

彼らはとても敬虔なイスラム教徒で、厳しい戒律を守っていた。私も従わないといけない掟があった。

1.豚料理をする場合は、彼らが使わない調理器具を絶対に使うこと

2.豚料理を食べる皿も彼らが使わない皿を絶対に使うこと

3.男性の友だちを「主人(お父さん)」の許可なし、主人が不在の時は招待しないこと


所謂、「外はイギリスでも、家の中は「エジプト」での掟が適応」されていた。

とても特別な経験なので、私はこの宗教社会の価値観をある意味楽しみ、視野を広げる良い経験になったと思う。

ただただ、願うのは、昨日の突然の新政策をイスラム教徒への嫌がらせだと捕らえなければいいが。。。

異なる宗教や文化でなる社会には、一つの価値観だけでは成り立たない複雑さがある。

海外に住むことで、日本では知りえなかった経験をして、物事を異なる様々な観点で考ようとする機会が与えられ、その中で様々な学びができるのは、海外に住む醍醐味だと思う。


参考記事:

Coronavirus: 'The spirit of Eid has gone but celebrations continue' https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-leeds-53606190

Prime Minister's statement on coronavirus (COVID-19): 31 July 2020  https://www.gov.uk/government/speeches/prime-ministers-statement-on-coronavirus-covid-19-31-july-2020





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