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[知ってて損しないイギリス英語表現 #8] 『コロナを受けてイギリス入試ビックリ編』

今回は、イギリス(スコットランド除く)の入試について簡単に話したい。

今朝のBBCニュースでGCSE students allowed to drop poetry in 2021 examsの見出しが飛び込んできた。

ここでGCSE(The General Certificate of Secondary Education)とは何だろう?

GCSE studentsとは日本で言うと「高校入試受験を控えている中学3年生」

日本の様に、県ごとに高校入試を実施するやり方と異なり、イギリス(スコットランド除く)では、共通試験が5月に一斉に実施される。

これは、合格不合格の高校選抜試験ではなく、中学資格認定試験に近いかもしれない。受験教科数は最低5教科(英語、数学、理科)、10教科受験する生徒もいるようだ。ここで義務教育は終わるので、就職する生徒はこのGCSE試験の結果を持って就職活動する。

進学したい生徒はGCSEの後、Sixth form(日本でいう高校)に進む。Sixth formは2年間で、学びたい教科を3つ選んでそれの試験準備をしていく。

1年目が終わる6月にAs Level試験(全国共通筆記試験:A Level試験の模擬みたいな試験)を受ける。2年目(最終学年)の6月に、A Level試験(全国共通筆記試験)を受ける。A Level試験が一番大事で、所謂日本でいう大学入試にあたる。このA Level試験の結果で、出願した大学の合否が決まる。

予断だが、「イギリス人は高校の初めからたった3教科しか勉強しないの?」と驚くだろう。日本の高校教育では、全ての教科を広く満遍なく勉強する機会があるが、イギリスの高校教育はどうも「得意だったり好きな教科のみを伸ばし、狭く深く身につける」と言った印象を受ける。


さて、「今年5月6月に実施されるはずだったGCSEとA Level試験はどうなったの?」

「中止になりました」

「えっ!じゃぁ、高校最終学年の生徒は来年度大学進学できないの?」

「進学できます!」

「試験を受けていないのにどうやって大学から合格をもらえるの?」

答えは、以下のからくりで、

This summer's exams were cancelled and exam boards will instead issue results based on factors such as a student's predicted grades, results in previous exams and the performance of the school in previous years. (前年度の試験と学業の成績からの予想点などに基づいて点数を出します)

日本で言うなら、過去の模擬試験や高校の中間期末試験の結果を見て、「センター試験だったら、このぐらいの点数かなぁ」と予測し無理やり点数を出すやり方だろうか。日本ではこのやり方はまずありえないだろう。


今年度はこんな感じで何とか乗り切った感があるが、さて来年度の学校教育はどうなるのだろうか。。。。具体的にどうなるか誰にもわからない。

Exams watchdog Ofqual has yet to decide if 2021 exams will be delayed, to give teachers more time to prepare students.(生徒の試験準備時間を先生たちにもっと与えるために、2021年の試験を遅らせるかどうかについて、まだ決まっていない。                          be delayed:~が遅れる have yet to do:まだ~ていない(よく使う表現)

そんな中、こんなニュースが、

GCSE students in England will be able to drop subject areas in English literature and history exams next year.(イングランドの中学3年生は来年度英文学と歴史の試験で、あるトピックは受けなくてもよい)       drop subject(履修していた)教科を途中でやめる
Poetry is one of the topics that will become optional following concern that schools may not be able to cover all areas because of the pandemic. (詩は選択性になるであろうトピックの一つ。このパンデミックで学校が全ての内容を教えることが難しいという懸念を受けて)             following concern that:that は同格でthat以下の文はconcern(懸念)の具体的な内容。following:~を受けて

これを例えるなら、センター試験国語で「漢文」を除外するような感じだろうか。

But head teachers said it amounted to "tinkering at the edges" amid "widespread ongoing disruption". (校長先生達は、それはどんどん広がっている混乱の中、表面的な部分をいじくりまわしているみたいなものだ)tinker at the edges:表面的な部分をいじくりまわす

どこもかしこも混乱中の模様。これからも教育関係の動向は目を離せない。

参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/education-53645824


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