モロッコ旅⑬ 〜パリピがうるせー!〜
【前回の記事】
12月30日の夜、遂にメルズーガに到着。サハラ砂漠に来たのだ!時刻は20時、ホテルでチェックインを済ませた。
【テント泊】
私たちはこのホテルで2泊の予定だが、1泊目のみテントで過ごすことになっていた。テント泊といっても、ホテルのすぐ側に設置されたテントに泊まるというだけのもの。聞くところによると、2018年までは砂漠のど真ん中までラクダで行き、そこにテントを張って泊まることができたらしい。
しかし、それは環境保全の面から禁止になった。人が泊まれば様々なゴミが出て、暖を取るために火を燃やし灰が砂漠の砂に混じる。こういった環境破壊を防止するためだ。
・雲行きが怪しくなって来た。
それともう一点、残念な事があった。私たちが泊まったホテルのテントなのだが、暖房付きの新しいテント群(15棟程度)と簡単な作りの古いテント群(20棟程度)があった。
残念ながら新しいテントの方は団体のお客さん1組で満室になっていて、私たちは古いテント群の方になってしまった。人間の心理って面白いもので、砂漠のテント泊なのだが暖房はもちろん無いものだと分かっていた。しかし、暖房付きの新しいテントもあったけど予約が取れなかったと聞いてしまうとね、残念だったなと思ってしまうものだ。
モロッコの北緯は沖縄と同じくらいだと思う。海に囲まれている沖縄は真冬にどんなに冷え込んでも10度程度だそうだ。熱量の高い水が寒暖の差を穏やかにしてくれるためだ。しかし水がほとんどない砂漠は日が沈むと一気に冷え込み、気温は氷点下近くまで下がる。これくらい冷え込むのなら暖房がないと少々きついのだが、しっかり着込んで寝れば大丈夫!なかなか出来ない貴重な体験を楽しむ事にした。
(ちなみに、古い方のテントに泊まっているのは私たちのみだった笑)
思い起こせば旅行前、まだツアー会社の担当者さんとやりとりをしている時に、このテント泊だけなかなか決まらず日程の確定が出来なかった。暖房付きのテントが取れるかが決まらなかったんだろうなと今になって思う。
・トイレとシャワー
ここは砂漠のど真ん中、上下水道は一体どうなっているのだろう。近くの街から引いているのだろうか?
インフラの詳細までは分からないが、テント泊するゲスト用のトイレとシャワーはプレハブで作られており、それは男女共用でトイレとシャワーの個室がそれぞれ5箇所づつあった。
・晩ご飯
晩ご飯はブッフェスタイル。食べ物は他の街と比べると、評価が下がるかな。でも、砂漠のど真ん中で食材の調達を考えれば有難い限りのお料理だった。
飲み物は別オーダーで、水やお茶、フルーツジュースなどが注文できる。お酒は販売していなかったが、持ち込みは可能でワイングラスを無料で貸し出してくれた。フェズ滞在中に現地ガイドのアビさんの案内でお酒を購入しておいて良かった!
この辺りのルールはホテルによって違うと思うが、もしお酒が飲みたい方は大きな街で砂漠入りの前に購入しておいた方が良い。モロッコはイスラム教の国、基本的に飲酒は禁止されているので、ホテルやレストランでも手に入らないことが多々あった。
このホテルの店員さんは凄くフレンドリーで素晴らしかった!すれ違うたびに笑顔で挨拶してくれた。衣装も可愛かった!
(グルグル頭が素敵!)
満点の夜空
食事を終えてテントに戻ったのは夜の10時を過ぎた頃だったと思う。早速、夜空の星を見に行こう!!
・服装
砂漠の夜は寒い。ドイツの夜の方が寒いはずなのだが、体感がとにかく寒い。その理由の一つは昼夜の寒暖差だと思う。一日中寒ければ体も寒さに慣れるだろうに、昼間はポカポカの陽気。日本の初夏くらいの気温で、太陽光を強くした感じだ。なのに日が沈むと一気に冷え込む。この寒暖差は日本人の自律神経にはきつい!時折、キーンと一過性の頭痛がする時があった。
まだ旅も序盤、風邪などひかない様にとにかく着込んでいった。超極暖のヒートテックを上下に(上は2枚!)、セーターニット、ウルトラライドダウン、下はジーンズ。その上にウインドブレーカーの上下、そして本気のダウン。靴は内側が起毛になってるブーツ。
夫は本格的な山登り用の格好をしていた。雪山に行く時とほぼ同じ、靴だけはランニング用のスポーツシューズだ。
遮る物が何もない砂漠は風がとにかく強い!これも体感温度を下げる要因だと思う。そこでじっとしている事を想定して、上記の通りがっつり着込んだ。それでは出発しよう。
ホテルのテラスでは大きなキャンプファイアーが焚かれていて、20人程のヨーロッパの人たち大騒ぎしていた。なんだか年末らしいなと感じた。
・プラネタリウム
ホテルの明かりは煌々としていた。外でパーティーをしている人の為なのかもしれない。とにかく、少し離れないと星は見えなそうだ。
真っ暗な砂漠を3人で歩いた。さらっさらな砂に足が取られて歩きにくいのだが、それが凄く楽しかった。あと暗闇の砂漠では遠近感や高低差というものが全く判断できなかった。目の前に壁の様なシルエットがあるのできっと登りになっているのは分かるのだが、奥行きが全く分からないので勾配がどれくらい急なのか分からない。勾配がとても急なところはサラサラの砂が足元で崩れるのでなかなか登れない。
そして砂がめちゃめちゃ冷たい!ブーツを履いてきて正解だった。
10分くらい歩いた所で空を見上げた。流れ星だ。
本当に美しい星空だった。
私が星って本当にキラキラ光るんだな〜って呟いたら、その理由を先輩が教えてくれた。星の光が空気を通ってくる間に空気の温度差とか気圧の違いで揺らぐそうだ。先輩はロマンチストで独身貴族だ。
先輩は学生の頃、星が好きだったらしく星座を沢山教えてくれた。私は興味津々で話を聞いたが夫は全く興味を示さなかった笑
1時間くらいは外にいたと思う。寝そべって空を見上げていたのだが、砂が冷た過ぎてそろそろ寒くなってきたから一旦テントに戻ることにした。それにホテルの明かりが凄くて消えるのを待って出直そうとなった。
この時、GoProでタイムラプスを撮っていた。時間設定をミスしてしまい3秒の映像にしかならなかった…泣 でも、オリオン座が動く様子をはっきりと撮ることができた!
本題!パリピがうるせー!!
言葉遣いが悪くなってしまい申し訳ないのだが、この時のことを思い出すだけで、今でもイライラする。
星を見にいくときに横を通った20人程のキャンプファイアーグループなのだが、ハンディのスピーカーから爆音を流しずーっとパーティーをしていた。私たちがテントに戻って来たのは11時を過ぎた頃だったと思う。最初は楽しそうだね〜などと3人で笑っていたが、12時を過ぎてもまだうるさくて、一体何時まで続くんだと思い始めた。
私は真っ暗闇で星空を見たかった。なのでこのパーティーが終わり、照明が消えるのを待っていた。100歩譲って音は出ていても良い、ただ明かりを消して欲しかった。とりあえず一眠りしてもう少ししたらパーティーも終わるだろうとよんでベッドに入った。
・深夜2時
うつらうつらしながら…気がつけば深夜の2時。まだ音はガンガンと、灯は煌々とパーティーは相変わらず続いていた。流石にこれは酷いと思いホテルの人を探しに行くとこにした。
パーティーをしている所に行ってみたがスタッフらしき人は居なかった。ただ、20人程居たパリピは半分ほどになっていた。
フロントに向かうまでにスタッフとすれ違ったので、パーティーは何時まで続くんだ?って聞いたら、何の把握もしていなかったらしく、何のこと?と聞かれた。
拙い英語で、音がうるさくて寝れない事と綺麗な星が見たいから外の強い灯は消して欲しい事を頼んだ。感じ良く、分かったと言ってくれてその20分後位に灯は最小限にしてくれた。
・最高の景色、星空
夫を無理やり起こし、星を見ようと誘った。先輩は俺は無理〜と言ってまた寝た。
綺麗だった。夫と同じ流れ星を見れるかな?と言って空を見ていたが、私が見つければ彼は見ておらず、彼が見つければ私が見ていなかった笑
とにかく最高の景色だった。
砂漠のホテルでの注意点
2度目の星空を楽しんでテントに戻って来たが、パーティーはまだ続いていた。結局、音が鳴り止んだのは朝の4時だった。本当に勘弁だ。
後々調べた事だが、砂漠のど真ん中で朝まで大騒ぎするためにここに来る団体さんは良くいるそうで、他の方のブログにも書かれていた。ご予約の際はツアー会社にこの事を伝えて欲しい。
(次の夜はホテルの客室に泊まったのだが、こちらには音は全く聞こえなかったので良かった。)
・砂漠に来る理由
この一件を通してのこと。
私は静かで真っ暗な所で満点の星空を見るために砂漠に来た。私はパーティーをしていた彼らに対して、こんなに綺麗は星空があるのにそれを見ずして馬鹿騒ぎするとは…低俗だわ!と、口にはしなかったが感じていた。
でも彼らだって、他人を迷惑をかける事なく大騒ぎする為に砂漠に来ていたわけで、ちゃんとした理由があるんだと思うと、理解できるし少しはストレスが減った。私が住むドイツをはじめヨーロッパでは生活騒音に厳しいルールがある。日曜や朝晩に掃除機をかけてはいけない、ピアノを弾いてはいけないなどだ。日本人にとってもそんなの常識の範囲内だと思われるだろうが、それがしっかり法律として定められている。ヨーロッパの住宅の作りが音を通しやすいという点も理由だと思うが。(日本の様に数十年で建て替えることはなく、百年以上も古い建物が沢山ある。)
この様な文化を持つ彼らにとって、野外で好きなだけ爆音を鳴らしてパーティーをする事は、素晴らしい一年の締めくくり方なんだろう。
ここに来る理由は人それぞれなんだなぁ。
(しかし、もし行かれる時には嫌な思いをされる事のない様に必ずツアー会社にご確認ください。この手のクレームは沢山あるようです。)
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