見出し画像

スウェーデンの幼稚園の先生が読む本

ある日突然NPOの先輩の方からお電話を頂戴し横浜地方裁判所委員会委員にならないかと話がありお引き受けし先日初会合にいってきました。

テーマは「裁判員の対象年齢引き下げを受けた法教育の在り方について」。そこにいらした方で財政学の先生が、スウェーデンの幼児からの民主主義教育についてお話をしていました。

財政学、地方財政論を研究している先生が幼児教育について熱く語っていることが印象に残り、終わった後お話を聞きにいきました。

数分の立ち話で聞いた話を要約すると、「財政のことをつきつめていくと対話と決定していくプロセス➤民主主義➤教育➤最後は幼児期における民主主義をどう学ぶのか、いきついた。スウェーデンで子どもを育てたときのその幼稚園の在り方に感銘をうけて、その幼稚園の先生が学んでいることを翻訳をするに至った」ということで、なんと財政学の先生がスウェーデンの幼児期の民主主義教育についての一冊を翻訳されたとのこと。

その本の名前は"Kan barn forsta vad demokrati ar?:inspiration och utveckling i forskolan"(子どもは民主主義とは何かを理解できるか?ー就学前学校におけるインスピレーションと発展)日本訳の本の名前は:幼児から民主主義から学ぶ スウェーデンの保育実践に学ぶ エリサベス・アルネール+ソルヴエィ・ソーレマン(伊集守直・光橋翠訳)

早速購入し読んでみたのですが、

・私たちが一致していることではなく、私たちが一致しない権利をもつことであり、それが奨励されることが民主主義を民主主義たらしめること。
・人々の相互作用と信頼が前提となること。
・意見の不一致があるときは、異なる意見をもっていていいのだという気付きを得られるような環境をつくっていくことがいかに大事か。
・視点には「固定的な視点」と「関係的な視点」があること。人は幾つかの特徴を備えた個人として生まれてきているけどその子たちを「やさしい」「頭がいい」「乱暴だ」とレッテルを貼ってあたかもそれが変わらないように捉えてしまうと危険が伴うこと。
関係的な視点は、子どもたちも関わる人たちもみんな互いに影響を及ぼし合って状況に応じて変化していくものと捉えること。「こうあるべき」とみるのではなく目の前に起きることに興味関心を持ってこの2つの視点の違いを知った上で特に関係的な視点の基礎をつくっていくことが大切なんだということが書いてありました。

少しクレドを話し合うときの議論を思い出しました。

子どもの参加とその影響力、そこをいかに大切にするか。力強い一冊でした。

ここのところ落ち着かない日々が続き迷うこと悩むことがたくさんある日々でした。朝少し時間お休みいただき少し心と気持ちを休める時間をとりました。こういう時間は違う角度からいろいろ見る機会になります。