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角大師

夜叉の形相をかたどり、2本の角が生えている写真。お店の前に貼られているのは「角(つの)大師」。「角大師」の御札は魔除けとして、門口にはったり、また害虫除けに竹などに挟んで田のあぜなどに立てたりされています。
厄除けの「角大師」や「豆大師」、「降魔(ごうま)大師」という呼称は、そのような霊験あらたかなお話とともに生まれた良源様の別称になります。
良源様は、平安時代の天台宗の僧侶で、比叡山延暦寺の中興の祖として知られています。良源様はたいへん法力が強く、如意輪観音様、またはお不動様の化身とも言われ、霊験あらたかなお話がたくさん残っています。一月三日に亡くなられたことから通称として元三大師と呼ばれています。
元三大師様が観音菩薩様に祈念し授かった、五言四句の偈文(げもん)百枚がおみくじの原型だと言われています。偈文とは、観音菩薩様のお言葉です。元三大師様は百枚の偈文の中から引いた一枚に進むべき道を読み取り、数多くの人を迷いから救ってきたとされています。しかし、元三大師様がおみくじの元祖と言われるようになるのは、江戸時代のはじめ。徳川家三代にわたり仕えた慈眼(じげん)大師天海様が、元三大師様の夢のお告げにより、信州にある戸隠(とがくし)神社で偈文百枚を発見されたことに始まります。これが「元三大師百籤(ひゃくせん)」となり、番号と五言四句の偈文により、的確な指針を得られたことで広まっていきます。次第に天台宗以外でも使われるようになり、現在のお寺や神社で引くおみくじは、元三大師様の偈文百枚がもとになっていると言われています。
最近この「角大師」の札を張ってあるところをよく見るようになりました。
今日で緊急事態宣言も解けるので、少しずつ戻っていけるように願うばかりです。今日もいい一日を。9/30

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