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立売

今日は地名のお話。
京都市の地名で、上京区に上立売、中立売、下立売というところがあります。バス停の名前にもなっていて、昔からの地名です。面白い地名だなあと子供のころから思っていましたが、今になってなぜその名前がついたか知ることが出来ました。
京都の歴史では町中に店舗を構えず立って商売をした”立売”が存在し、庶民の活力が交差した場所であったそうです。駅弁と同じように立って物品を売っていたことを意味します。これが根付いたのが室町時代と言われています。当時どんなものが売られていたかは、田舎者が立売見物をする狂言の内容から知ることができます。子供の玩具、茶の湯の道具類、武具馬具などが紹介されています。
立売は当時上京だけでなく下京にもあり町衆の中心だったのですが、下京のほうに宵のころにどこからともなく娼婦たちが集まってき、立君と呼ばれるようになりそのうち禁止されるようになったそうで、それも原因で現在下京に立売という地名が残っていないといわれています。
上京下京という概念は平安時代にはなくて、当時は左京右京だったのですが、応仁、文明の乱後に発展した地域意識であり、武士に対して町衆が台頭してきた時代の地域意識となっています。上京下京の境は二条通とされ昭和4年に中京というエリアが誕生するまでは、上、下京という地域割は京都の人の中に息づいていました。今残る地名だけでこんなことがわかるなんて面白いなあと思います。ほかにもこんなところたくさんなると思います。今日もいい一日を。1/31


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