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鬼門を守護する寺社

京の鬼門に比叡山がそびえ、延暦寺が都を守護しています。昨日の続き。 その鬼門ライン上に赤山禅院、幸神社があり、裏鬼門には蔵王堂。さらに鴨川北方を守護する鞍馬寺、上賀茂神社があり、四神朱雀の棲む巨椋池の側に城南宮、西南を石清水八幡宮が守護しています。

赤山禅院は都の表鬼門を守護する方除けの寺で、正面に建つ拝殿の屋根の上には右手に幣串、左手に神鈴を持った陶製の猿像が金網越しに御所の方角を凝視しています。この猿像は延暦寺の地主神日吉神社の使いでこの屋根の上から御所猿が辻の築地屋根にいる猿像と鳴きあって、都に魔物が入らないように見張っているそうです。赤山明神は天にあっては福禄寿、地にあっては人の寿命をつかさどる神として祀られている泰山府君。陰陽師安倍晴明はこの泰山府君を陰陽道の祖神として崇めていたとのこと。また赤山禅院は千日回峰行の寺で有名で、阿闍梨さんと縁の深いお寺です。

この赤山禅院と御所猿が辻のあいだに鎮座する鬼門ラインのもう一つの猿神像は幸神社(さいのかみやしろ)に艮(うしとら)の方角に安置されています。うしとらの方角は北東のことで、鬼門の鬼は誰も見たことがなく牛と虎が混ざった姿をしているのはここからきています。干支の丑寅の反対に位置するのが猿なので、押えるのに猿が置かれているといいます。  

一つずついわれや祀られている祭神を知って寺社をまわることは、昔の人のことを知るにはとても有意義なことに思います。昔、鬼とあらわされていたものは現在のウイルス、疫病だという説があります。今と昔恐れるものは何も変わらず、ずっとつながっているのだとそんなことを思いました。今日もいい一日でありますように。8/13

   

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