見出し画像

電電宮

まだまだ京都市内の中で知らない所は沢山あるのですが、嵐山にある法輪寺の中に電電宮という電気電波を守護する電電明神を祀るお宮があることを知りました。「八百万の神」とは800万柱の神様がいるということではなく、自然のものには全て神が宿っているので、無数の神様が存在するということを表しているとは思っていましたが、こんな神様まであるなんて。

法輪寺は713年、元明天皇の勅願により行基が創建した、真言宗五智教団の京都本山。当時は葛井寺という名前で、829年に空海の弟子・道昌が中興して虚空蔵菩薩を安置、874年に伽藍が整えられ「法輪寺」という名前になりました。ちなみに、承和年間(834年~847年)に、仁明天皇の勅願を受けた道昌が大堰川(桂川)に「法輪寺橋」をかけ、この橋を見た亀山上皇の感想から「渡月橋」の名が使われるようになりました。現在の渡月橋はこのときの橋とは別で、角倉了以 がかけ直したものだそうです。渡月橋は”月橋渡”というゆるキャラまであって有名ですが、法輪寺の橋だったということを知る人は少ないかもしれません。

私たち京都の人は十三参りというのがあって、13歳になったら知恵をもらいに行くという有名なお寺が法輪寺です。好きな漢字を一文字お寺で書いて納めてお参りし、帰り渡月橋で決して振り返ってはいけないという言い伝えがあります。振り返ると知恵を返してしまうことになるそうです。してはいけないと聞くとしたくなってしまうもので、随分葛藤したような思い出があります。この時書いた字は”必”という字だったことを覚えています。

法輪寺の本尊が自然現象を広く包括する虚空蔵尊であることから、鎮守社には明星天子・雨宝童子・電電明神など、自然に関連した神々が祀られてきました。その中でも、電電明神は雷・稲妻の神様であることから、現代的に解釈すると「電気祖神」「電波祖神」だといえるので、電電明神を祀っている電電宮は電気・電波などを守護する鎮守社だといえます。それゆえ今この電電宮がITのパワースポットととか、コンピューターの神様ということで有名になってお参りする方が増えているそうです。お札や護符を貼ることによって、サーバダウンを防げる、バグが退散する、クレームが無くなる、システムが安定稼働する、携帯の電波が強くなる、ブログのPVが増える、電気自動車の交通安全などの効果が期待できるらしいです。

今の時代にぴったりの参拝。法輪寺の中にこんなところがあったなんて知らなかった。ぜひ興味のある方はいかれてみてください。7/9



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?