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ディエゴへの手紙 ―象と鳩の結婚―(フリーダ・カーロの日記#5)

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Clarion Books; Frida & Diego: Art, Love, Life、2014

フリーダは人生で二度の事故に遭遇したと言っています。1つめは18歳の時のバスの事故、2つめはディエゴとの出会い。1929年8月21日、ディエゴとフリーダは結婚します。フリーダ22歳、ディエゴ42歳、まるで「象と鳩の結婚」と周囲は表現しました。


フリーダの日記にはあらゆる頁にディエゴが登場しますが、はじめにディエゴに関して記されているのは、彼へ宛てた手紙です。フリーダは、1944年頃に日記を書き始めたと言われています。それ以前、1939年にはディエゴとの離婚があり、翌年の1940年に復縁、さらに1941年の父親の死といったように、彼女にとって最も辛い激動の数年間でした。そんな時期を経て綴られた日記でのディエゴへの思いは、ディエゴ・リベラという人物の偉大さ、そしてかけがえのなさを記したものでした。

ディエゴ
本当に、とても偉大な人。
あなたを愛していなければ、私は話すことも、眠ることも、
聞くことも、愛することもできない。
自分が閉じこめられていると感じる。血への
恐怖はなく、時間も、魔法もない、
あなた自身の恐怖の中で、
あなたの大きな苦しみの中で、
まさにあなたの心のざわめきの中で。

・・・・


ディエゴ
あなたの手に比べられるものなどない
あなたの黄金がかった緑色の目に
代わるものもない。私の体は日々あなたで満たされる。
あなたは夜の鏡。稲妻の激しい光。大地の湿り。
あなたの脇の下のくぼみは私の隠れ家。
私の指先があなたの血に触れる。私の喜びは
ひたすらあなたの泉から生命が芽吹くのを感じること。

・・・・

私のディエゴのために
数々の世界をもたらした
静かな人生、一番大切なことは
幻想‐を抱かないこと。
朝が生まれる。
友好の赤、崇高な
青、手の中にある木の葉、
さえずる鳥たち、髪の中の
指、鳩の巣
人間の戦いの
奇妙な理解
不合理な歌の簡潔

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