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対話への渇望

以前「新しい私」で書きましたが,出張財政出前講座開催自粛の中,5月から「オンライン対話会」なるものをはじめています。
出張財政出前講座ではこれまで日本全国からお声がけいただいて5年間で100回以上のステージをこなしていましたが,ぷっつりとその活動の場が途切れ正直少し目標を見失っていた中で,オンラインでの新たな交流の場をいただいたことは本当にありがたい話です。

今のところは私の本の愛読者グループ「『自治体の“台所”事情~財政が厳しい”ってどういうこと?』をより多くの人に届け隊」のメンバー限定で,1回あたり定員も16名と非常にこじんまりとやっています。
これまでの出張財政出前講座では,オンステージで半日ほぼノンストップでしゃべり倒すマシンガントークで馴らした私ですが,このオンライン対話会では情報を届けるというよりは,参加者の方々とひざ詰めでゆるーく語り合う感じでやれているのが心地いいですね。
なんとなくですがweb上で「明日晴れるかな」をやっているような感じです。
いや,「明日晴れるかな」はもっとグダグダだな(笑)

5月から始めてすでに3回を数え,これまで3回は主に「財政」をテーマに皆さんと対話してきましたが,今回は私の希望で「対話」をテーマに対話してみることにしました。
「財政の勉強がしたい!」という方にとっては少し毛色の違うテーマ設定となりますが,私がなぜこんなことに血道をあげているかは,私の本を読んでいただければお判りいただけるかと思います。

私は「財政」のことを語りたくて出前講座をやっているわけではないのです。
やりたいのは「全体最適を対話で導くヒトづくり」。
互いに情報を共有し、立場の鎧を脱いで胸襟を開き、立場を超えて互いの言葉に耳を傾け、率直な自分の意見をぶつけることができれば、きっと分かり合える。
甘っちょろいかもしれませんが、こんな自分の考えを受け止め、賛同し、同じような行動をとっていただける方が増えていくこと。
それが私の願いです。(原文ママ)

というわけで,「対話」をテーマにしたオンライン対話会を企画したところ,16名の定員枠が即日完売してしまいました(笑)
これまでの3回ではなかった現象で,びっくりしています。
最近このnoteにも「対話」に関する投稿ばかりしていましたので,その影響もあるかもしれませんが,それにしてもこの入れ食いには驚きました。
きっと皆さん,よっぽど「対話」についてお悩みなのでしょうね。

とはいえ,実は私も「対話」について人様に講釈を垂れるような偉そうな立場ではありません。
確かに10数年前,まだ今ほど「対話」という言葉がもてはやされていなかった時代に対話の魅力にとりつかれ,対話のある暮らしを渇望し,10年以上かけてここまでたどり着いたという意味で一日の長はありますが,私もまだまだ悩める子羊です。

ファシリテーションの勉強をしたわけでもなく,対話の何たるかについて学んだ経験もありません。
財政の話は実務経験から蓄積した知見を体系立てて皆さんに披露する自信がありますが,対話のことをきちんとまとめて話したこともないし,体系や理論を組み立てたこともありません。
今回のオンライン対話会でも,皆さんからの質問に答えるというよりは,一緒に考え,もやもやを共有するだけの場になるかもしれません。
だからこそ「対話」をテーマに対話してみたいのです。

不思議なことに,今までもそうでした。
財政の話にしても,最初からあんなにうまく話せたわけでもないし,そもそもきちんとわかっていたわけでもなかったと,今振り返って思います。
それが100回の出前講座でしたり顔で語れるようになったのは,たくさんの舞台を踏み,たくさんの方々と言葉を交わした場数のおかげ。
講座を聴きに集まった方々の関心事,疑問に一つ一つ向き合い,理解しているかどうかを確認しながら,言葉を選び,自分の考え,思いを紡いでいく営みを繰り返すなかで,「財政とはなんぞや」という自分なりの芯が定まったように思います。

言葉は不思議です。
普段からなんとなく思っていることでも,言葉として発しない限り実体はない。
それがひとたび言葉になったとたんにそこに言霊が宿り,意識のなかに存在するようになります。
私を魅了して止まない「対話」の場で繰り広げられる言葉のキャッチボールは,これまでもたくさんの言霊を生み出し,私の人生を操ってきました。
そんな不思議な力を持つ「対話」の場で「対話」をテーマに語ることで何が起きるのか。
きっと,そこから得られる言葉そのものやその底流にある社会背景や人の思いなどを感じ取り,学び,自分の血肉として取り込み,それをまた私自身の言葉にして自分の中に言霊を宿すことができるはず。
そう思うのです。

そこから生まれる言霊こそが,私が今,本当に極めたい「対話」の奥義。
その極意にたどり着くための他流試合として,今,多くの人と「対話」について「対話」をしたい。
まさに「対話」という言葉に魂が宿る場になるのではないか,と期待で胸がいっぱいです。
リアルでも,オンラインでも,あるいはこういったバーチャルな場での投稿やコメントのやりとりも「対話」です。
「対話」についての対話の場。
これからもいろんなところで作っていきたいと思います。
皆さんもよかったら,私と「対話」してみませんか。

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★「自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?」について
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2018年12月に本を出版しました。ご興味のある方はどうぞ。

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