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許し合うために守るべきこと

先日から再三お話ししている,対話の重要な構成要素「開く」と「許す」。
このうち「許す」は相手の立場、見解をありのまま受け入れることと繰り返し述べてきました。
いやいや,「許す」って言ってもどんな意見でも「そうですね」というわけにはいかないんじゃないの?
そんな反論が聞こえてきそうです。

おっしゃるとおり,「対話」の場ではどんな意見でも発して構わないと思いますが,それがどんな意見でも同意するというルールはありません。
誰もが「こんなことを言ってはいけないんじゃないか」という呪縛から解放され,自分の思いを言葉にすることができればいい,態度を表明できればいいのであって,そういった各自の発言,態度の自由を場として許容することと,その発言の内容を場として同意することは全然違います。
なので逆にいうと,誰も自分の意見に同意してくれないからといってその発言を控える必要はないということでもあります。

なんとなくその場の皆が求めていそうな話題,論調に寄せていくというのは日常生活でよくあります。
例えば既婚者が集まって話すと出てくる配偶者の愚痴。
誰かがその話題を話すと「そうそう」「うちもねー」と同調して話をかぶせ,盛り上がるというのはよくあることです。
しかし,配偶者の愚痴ばかり言っている中でひとりだけ「うちは仲いいよ。何の不満もないし」などというこれまでの論調と真逆の意見って,言いにくくなることありませんか。
ある意見への同調は,知らず知らずのうちにその意見に同調せよとの圧力を生み,その場の雰囲気から異質な見解,意見を持ち込むことが難しくなることがあります。
他愛もない雑談でなら皆に合わせてその場のノリでやり過ごすこともあると思いますが,その場の空気に合わせて自分を律することが窮屈に感じるのであればそこは自由な対話の場ではないのです。
対話の場である意見が多数を占める場合には,その中で少数派の居心地が悪くなっていないか目を配るよう心がけましょう。

一方,誰もが自由な立場で話すことが許される対話の場でも意見の衝突は起こります。
「〇〇のことが好き」「〇〇には賛成しかねる」などの価値判断を伴う意見の場合,当然すべての人が同じ意見ではないので,意見の異なる人が別の主張をすることで場の空気が乱れることもあります。
大事なのは,そこでどちらが正しいかを突き詰めないこと。
そして,感情的にならないことです。
自分自身のふるまいもそうですが,対話の場で誰かと誰かが意見の相違で少しぎくしゃくしたときには,助け舟を出したり話題を変えて水を差したりすることも対話の場づくりでは大事なことだと思っています。
私の場合,そういう修羅場で場の感情をコントロールする経験を積んだおかげで,いざ議論の場,意見が衝突し感情が高ぶる場面でも理性的,論理的に対応できる術が身についたと思っています。

とはいえ,私もたまに怒ることがあります。
先日もネット上でつい怒りの感情をぶつけてしまいました。
そのことでご心配の声やご意見をいただき,頭の冷えた今,少し反省しています。
私は,このnoteやSNSを不特定多数の皆さんとの「対話」と位置付けています。
ほとんどの投稿は「対話」の前段のくだらない「雑談」ですので真剣におつきあいいただかなくて平気なのですが,このnoteでの投稿のように何らかの主義主張,意見を述べている場合は,それは私からの「対話」の投げかけと受け止めていただき,自由にご自身のお立場,視点からご意見をいただきたいと思って投稿しています。
皆さんとの「対話」を通じて自分自身の思いや立ち位置を確認し,自分の中でさらに思索を深めていく,そのために観測気球を上げているのだとご理解いただき,これからも皆さんの忌憚のないご意見をお寄せいただけたらありがたい限りです。

ただ一点,こだわっているのはお互いに「対話」のルールを守ること。
そうでない方とはおつきあいご勘弁願いたいと思っています。
これまでのSNS上では,私とのやりとりだけでなく私のタイムライン上でコメントをした人同士でバトルが始まり,なんとも不愉快な思いをしたこともありました。
特に自分と違う立場、見解を許容することができない方,相手に心理的安全性を与えることができない方については,コメントやその他の投稿なども見させていただき,必要に応じて意見も言わせてもらったり,私の主宰する「対話」の場からご退場いただいたりもしています。
誰でも許容する,ありのまま受け入れるんじゃないのかと言われても,これだけは譲れませんのでご理解いただきたいと思います。
それでも感情的にならないようには心がけていきたいと思いますが<m(__)m>

世の中いろんな人がいるんだから,いろんな立場,視点,意見があっていい。
その多様性を基本に据えて,その場に居る人すべてがその場に居ることを許された適任者であるとの意識を,その場に居る人が共通のルールとして持てる,そんな「対話」の場をこれからも作り続けていきたいと思いますし,この思いに賛同していただき,一緒に「対話」を楽しんでいただいたり,その魅力を語り広げていっていただける仲間が増えていけばいいなと思っています。

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