マガジンのカバー画像

エッセイ等

38
柔らかめの散文
運営しているクリエイター

2024年2月の記事一覧

源氏物語エッセイ「彼女たちの声」

源氏物語エッセイ「彼女たちの声」

「源氏見ざる歌詠みは遺恨の事なり」。

 六百番歌合の判詞として残る藤原俊成の言葉が、ずっと耳に痛かった。歌を詠み始めて約三十年間、源氏物語をきちんと読んだことがなかったからだ。(幾つかの漫画などで概要は知っていたが)。

 しかし来年2024年のNHK大河ドラマが紫式部の生涯を扱う「光る君へ」であることから、放送が始まる前に今年こそは源氏物語を通読しようと決意した。

 といっても原文では歯が立

もっとみる