シェア
冨樫由美子
2023年1月16日 11:35
ピアノ曲というものは、古い曲であっても、演奏されるたびに新鮮に受け止められる。その一回性と永遠性を「思春期」というもののかけがえのなさと普遍性に結びつけた物語集をおすすめしたい。 「アーモンド入りチョコレートのワルツ」は、三つの短編が収録されたこの本の三つめの物語のタイトルである。と同時に、エリック・サティ作曲〈童話音楽の献立表〉に入っているピアノ曲のタイトルでもある。 三つの短編に共通し