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冨樫由美子
2024年9月22日 09:43
こひびとは約束どほり埋めてきた紅い花だけ咲いてゐる野にひとりきり珈琲をのむために湯を沸かすよ青いほのほ点して夢の中のくらい道のりいつまでも黄色い蝶が(ついてこないで)むごいほどかがやく緑さいいしよから生まれなければよかつたなんて聴きなさい 誰も知らない森にある深い緑の群青色を風は吹く行つてしまつた人たちの白い言葉を伝へるために黒鍵にふれる指先あのひとの耳をなぞつた日を思ひ出