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冨樫由美子
2023年5月7日 16:41
石けんを泡立てる間も刻々と死に近づいてゆくからだあり身のうちに雨雲を飼ふことなどもたれに告ぐるとなく過ぎて来つ寝室に時計は置かず秒針の音がこはくてこはくてならぬ真夜中に起きてのむみづ食道をつめたくとほりすぎてゆくなりこの朝にめざめて捧ぐあたらしき日に感謝するみじかき祈り鳥たちの声が聞こえて少しづつ窓のまはりが明るくなつてでも今日も遠く近くに打ち寄せる流行り病や戦の知らせ一度づつ僅かば