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冨樫由美子
2021年3月2日 08:29
「小さな棘」ブックカフェ赤居文庫に出会ひたる歌集一冊読み干した午後珈琲のカップの薔薇の模様にも小さな棘がかがやいてゐる寄り添つて優しく、けれどかんたんに消えない傷をつけてあげたいゑがかれた時計の上のすすまない時間のやうな約束をした文庫本を読みてゐるとき清潔な待合室はとても静かだ部屋隅の塵や埃をぬぐふとき床につくひざ 祈りのかたちゆふがたにきれいな雪が降つてゐてあなたのこ