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冨樫由美子
2019年7月1日 17:10
花橘の香りをかげばからだからすこしはみだしかけるたましひ薫風が十四歳のわがこゑをはこびくるとき皐月はきたるちひさくて綺麗なものをあつめたしたとへば五才半児の乳歯渡りたかつた橋のすべてを渡り終へ静かに老いてゆくこの庭に倍音の響き聴かうとするやうにうるんだ星のそらを仰げりさはやかな朝だつたらうマグダラのマリアききたるノリ・メ・タンゲレ※「ノリ・メ・タンゲレ」にルビ「我に触るるな