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短歌作品

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本
主に「短歌人」誌に掲載された短歌作品です。
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冨樫由美子
冨樫由美子

冨樫由美子

「短歌人」2019年6月号掲載作品

「短歌人」2019年6月号掲載作品

一杯の珈琲を飲むためにのみ名残りの雪の舞ふ街までを

珈琲は淹れられてきつ白神のブナの原生林の水もて

カウンター席の窓より秋田杉にて建てられしバスターミナル見ゆ

礼拝に手話通訳をする人のかほの表情ゆたかにうごく

礼拝に祈る一人となるときに閉ぢしまなこの奥のあかるさ

ある朝に部屋に充ち溢るる春の光ひかりは痛みと思ふ

(会員1欄 冨樫由美子)
#短歌 #短歌人

冨樫由美子

冨樫由美子

「短歌人」2019年5月号掲載作品

「短歌人」2019年5月号掲載作品

さ庭なる南天の実を啄みにヒヨドリが来てけふより雨水

雪解けのみづにはしやげる子どもらのこゑ聞くときぞ春は嬉しき

古書市に書をあさるときマニキュアを塗つたゆびさきほめられてゐる

ぴつたりにあつらへられた函に本を収むるときの手の悦楽よ

さまざまな降誕祭のカードなど集めたりしが出すあてもなし

二月尽 郵便局の帰りみちコンビニに寄り買ふ桜餅

(会員1欄 冨樫由美子)