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冨樫由美子
2022年5月5日 16:24
十六歳の時に短歌を作り始めてから十年間、ずっと新仮名遣いを用いていた。昨年八月に出版した第一歌集『草の栞』は、だからすべて新仮名遣いによる歌集である。意識的に選んだわけではなく、当初それが自分にとって自然だったからだ。古典の時間に習う歴史的仮名遣いが、自分を表現するのに都合の良いものとは思えなかった。 ところがここ数年、しだいに新仮名遣いでの作歌に違和感を覚えるようになってきた。一年ほど前から