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硬めの散文
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2016年11月の記事一覧

3番線快速電車が(一歌談欒)

3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって(中澤系)

下がって

なーんで命令されなきゃならないのという気分になります。だからひっかかる。仮に「下がろう」と呼びかけてみると、ひっかかり感が減ります。

理解できない人は

これもね、失礼でしょ。人のできる、できないつまり能力を云々するのはね。「理解しかねる人は」だとどうでしょう。ひっかからなくなりますね。

通過します

これはいいです。

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九大短歌 第四号を読む

九大短歌 第四号を読む

「九大短歌」は九州大学短歌会の会誌。
大学短歌会の発行する冊子を読むのははじめて。
まず、太宰府の吟行録があり、楽しそうでうらやましい。
歌会録、連作と続くが、歌会にも出され連作でも掉尾を飾る作品に魅かれた。

主なき千度の春に削られて飛べない梅に触れる霧雨/松本里佳子「千度」は「ちたび」と読みたいし、そうだと思うがルビがあってもよいのではないか。

会員作品

原因は二つじゃなかったのだろう

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「66」を読む

「66」を読む

「66」はおおむね40代の女性歌人グループ「ロクロクの会」結成一周年(2016年6月)を機にまとめられることになったという同人誌。

●まず、12人のメンバーの十五首詠が並ぶ。二首ずつ引いて、感想を。

ルリヤナギの細枝をすべり台にして遊ぶときけり晩夏のシジフカラ見たくなければ柱を立てる人間のこころか卓上の電気ポットは/浦河奈々「晩夏」四十雀を優しく詠んで魅力的な一首め。二首め、卓上の電気ポットを

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