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君を泣かすから

外にいると息が白くて、指先が悴む。

僕の隣には今日も君がいて、それが幸せで。

悴んだ指先を君の冷たい指先と絡める。

そんなあたりまえのことが、愛おしい。


君は太陽みたいな明るい人。

笑顔が眩しくて、時に見せる仕草が綺麗で、
真っ直ぐに僕を見てくれる。

でもとても繊細で、泣き虫で、
気づいたらすごく落ち込んでる時もある。

でもさっきまで泣いてたと思ったら、
大声で笑って機嫌がなおってる。

突然怒ったと思ったら、
バニラアイスを食べていつも通り話しかけてくる。

本当にコロコロと転がってるような、
不思議な人。

気づいたら僕は、君のことをほっとけなくて、
そんな君が愛おしく感じている。

今も悴んだ指先が君の指先と重なって
あったかくなってきた。

寒くて力んでいた眉が
いつの間にかやんわりしてくる。

僕の冷えた指も頬も額も心も
君が温めてくれる。


そんな君は、これからも僕と一緒に
いてくれるのだろうか。

本当の僕と一緒にいてくれるのだろうか。



僕は君のような人間ではない。

僕はきっと、君ほどまっすぐ君と向き合えていない。

僕は弱い。どうしようもなく。

君の優しさに甘えて、君の温もりに

ただ甘えているだけかもしれない。

でも君がいない世界を思うとさみしくなって

君のことを求める。



僕には、君といる資格が、きっとない。

それでも僕はこれからも君の隣にいれたらなって

そんなずるいことを考える。



君を泣かすから、僕は一緒にはいれないな。




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