59.大切なのは、当事者の意見も聞くこと

(2022.12.12 結果を一番下に追記しておきました)

色彩検定UC級を受検しました

先日、色彩検定を受けてきました。

私が今回受けたのは、UC級というもので、色のユニバーサルデザインに関する知識を問うものです。

UC級は、2018年に新設された新しい級ですが、色彩検定自体はずいぶん前からあって、私はたしか大学卒業して2年後くらいに、2級まで取得したような記憶があります(その後1級をやろうと思いつつ、やらないまま20年たってるし・・・汗)。

今回UC級を受けようと思ったきっかけですが、社会全体が少しずつ、多様性を重視するようになってきたことに伴い、何かこれからの社会で役に立つ資格でも取ろうと思ったのがきっかけです。

ただ、資格を取ろうと思い立ってから「色のユニバーサルデザイン」について初めて知ったわけではなく、自分の住む区の議員さんで、ユニバーサルデザインに関する活動をされている方がいらっしゃり、その方が何年か前に、各家庭にポスティングしていたチラシで、「あ、カラーユニバーサルデザインという考え方があるのね」というのを知ったのが、一番初めのきっかけです。

実は結構いる「色弱者」

日本人の場合、男性の5%程度は、先天性の色覚異常があるといわれています。20人に1人、と考えると結構いますね。昔の40人学級とかであれば、計算上はクラスに1人くらいいるイメージでしょうか。
その中でもわりとメジャー(っていうの?)なのは「赤と緑の区別がつかない」というものだと思います。ほかにもタイプがあるようですが、極めてまれのようです。
なお、先天性の色覚異常が起きる遺伝子はX染色体にあるうえ、X染色体のすべてに異常がある場合に発現するので、女性の場合は実際に色覚異常になる人は0.2%程度しかいないそうなのですが、片方のX染色体だけに色覚異常の遺伝子がある「保因者」となっている場合があります。両親ともに色覚異常がないのに、生まれた男の子が色覚異常になることがあるのはそのためです。
下記サイト↓に、遺伝の図が載っているので参考までに。

さらに、「色の区別がつきづらい」という症状が出るのは、なにも先天性の色覚異常がある人だけに限った話ではなく、後天的な病気やケガなどで見えづらくなる人もいますし、年を取れば加齢に伴って見え方の変化が起こり、青と黒の区別がつきづらくなるだとかがあります。

そう考えると、そういった「色の区別がつきづらい人」というのは、気づかないだけで、結構身の回りにたくさんいるのだなという事がわかります。

ちなみに、「NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構」では、「色の区別がつきづらい人」を「色弱者」と呼ぶことを提唱しています。そのことを知ってから、私もなるべくその呼称を使うよう心がけています。確かに色の区別がつきづらいことに対する配慮の少ない環境では、情報弱者となりやすいですよね。

勉強を進めていくうちに思ったこと

さて、試験の合否については12月くらいにならないとわからないですが、手ごたえとしては、まぁ合格基準点くらいは、いったのではないかと思っています。
その辺はまた、結果が出たら発表するとして。

公式テキストにて勉強を進めていく中で、私が非常に重要だと思ったのが

色のユニバーサルデザインに配慮した設計、修正を行う際には、できる限り当事者である色覚異常のある人や高齢者、ロービジョンの人(視野欠損や、眼鏡やコンタクトで矯正してもよく見えない視力の低下のある人)などにも確認してもらうことが理想的

という事でした。

障害者雇用にも通ずる話なのですが、こういったことは、ともすれば、多数派の人たちだけで話が進んでしまって、当事者が置いてけぼりになってしまうという事が発生するので、色のユニバーサルデザインだけに限らず、多様性に配慮した社会を作っていくには、「当事者の意見も聞く」ということが大切なんだという事が、もっと広まったらいいなと私は思っています。

職場のユニバーサルデザイン化

色のユニバーサルデザインについて勉強していくうちに、私の頭の中にふっと浮かんだ言葉、それが「職場のユニバーサルデザイン」でした。

例えば障害者雇用における合理的配慮について、当事者である障害者を抜きにして「会社としてできるのはここまで」と線を引いて決めてしまい、その後は話し合いにも応じない、というのは、なんか違うよな、とずっと感じていたので、こういったことについても、色のユニバーサルデザイン同様「当事者の意見も聞く」をもっとやっていってほしい、私はそう思ったんですね。
そうやって、当事者の意見も聞いて、よく話し合って職場環境を整えて、結果的に障害者だけでなく、障害のない人にとっても働きやすい環境になれば、その方がいいじゃないですか。

そういうのを「職場のユニバーサルデザイン」というのはどうだろう、って思ったんですけどね、私が思いつくようなアイデアなんて、どこかの誰かがとっくにやっていたりします。
調べたら出てきました↓

上記の例は、聴覚障害、内部障害に対する配慮事例ですが、結果的にはみんなにとって働きやすい職場へとつながっていっています。

こういった動きが、もっと他の障害(精神障害、発達障害など)にも広がっていったらいいなというのが私の願いです。

(追記)
結果ですが、見事合格でした。200点満点中192点の高得点取れました。やってよかった。

発達障害者が少しでも生きやすくなりそうな情報(本、ネットの有料記事等)の購入費用に充てますのでよろしくお願いします★