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多忙な人が陥りやすいマルチタスクの罠~エネルギーの無駄遣い!?~

マルチタスクとは
そもそもコンピューター用語で、複数の作業を同時に行うこと。
関係のない別々の作業を同時に行うこと。

一見すると効率がよさそうです。

多忙でバリバリ仕事をこなす人ほど陥りがちな
マルチタスクの罠について書いてみました。

この記事は
忙しいと感じているすべての人
やるべきことを効率的に進めたいすべての人
なぜか毎日疲れている人と、そのご家族
に役立てていただけます

私とマルチタスク

元来私は自分をマルチタスクが得意な人間だと思っていました。
学生の時授業中のいわゆる「内職」が得意。
ほかの作業(塾の予習やほかの教科の宿題)をしながら
テストに出るといわれたポイントを逃さずに聞き取ることができました。

マルチタスクは可能か

大人になって、本当にやることが増えたとき、
たとえば論文の直しと翌日の症例の予習と専門医試験の勉強に同時に追われて・・・
なんだかめちゃくちゃ疲れる割にちっとも物事が進まない、と思いました。
仕事と家事と育児の両立を迫られたときも、
同じことを思いました。
ミスも抜けも増えて危険だ、とも思っています。

実際には、
人間もコンピューターも厳密なマルチタスク処理を行えないそうです。
「素早く切り替えながら高速に実行することで、
あたかも複数のタスクが同時実行されているように見えている」だけ。
実際には集中力を向ける先を交互に切り替えているだけで、
同時に2つの物事に集中できているわけではない、ということ。

なぜ、マルチタスクが悪いのか。
気力や集中力を奪う働き方

今やっている仕事から別の仕事に切り替えるには
労力と時間がかかります。
これをスイッチングコストと呼ぶそうです。
タスクの切り替えをする場合、どの年齢層でも時間がかかります。
そしてその中でも、反応速度は小学生低学年や高齢者の方で遅く、
ピークが20-30代となっているようです。
Cepeda et al. (2001)

このデータから振り返ると、
私の反応速度は学生時代より低くなってしまったのかもしれません。
もはやピークを越えている・・・

このタスクの切り替えは、強制的に他人から中断させられる場合も
自分で切り替える場合も同様に時間を要します。

また、仕事がかなり繰り返されてもう機械的にこなせるものとなれば
スイッチングコストはかなり下がってくるということ。

育児・家事はマルチタスクの連続

たとえばある休日の夕方。
「そろそろ夕飯の準備をしないと。
あ、お風呂を洗うのを忘れてた…先にお風呂を洗おう。
え?絵本??あー…じゃあこの一冊だけね。
あれ、なんか匂うな・・・おむつおむつ・・・」

パートナーがいればもう少し楽になるかもしれませんが、
司令塔としての役割などまた別のタスクが加わる可能性もあります。

そもそも料理一つとっても、
何品か出す場合には同時進行の作業が必ずありますし、
一品で済ますにしても食材が何個かあれば作業はいくつかあるでしょう。
育児・家事はマルチタスクの連続なのです。

私はそのような職種ではありませんが、
在宅ワークの方でおうちにお子さんがいるときなど
あらゆることで中断される中で仕事をする、
タスク以上の体力を要する環境と想像します。

「大したことをやっていないのに異常に疲れている」
という気持ちの正体は、スイッチングコストだったのかもしれません。
家事や育児は作り出したものが手元に残らないので
徒労感が一層大きく感じられます。

複数のことの両立で気力や集中力が奪われている、というお話を
過去にも書いています。

マルチタスクを避ける方法

マルチタスクを避ける方法としてパーキングロット思考というものがあります。
業務を進めるうえで、
優先度の低いちょっとしたタスクが発生した時、
それを片付けてから元に戻るとやはりスイッチングコストがかかります。
「いまはその問題をおいとく、あとで忘れないようにやる」
ことができれば、スイッチを減らせるかもしれません。
そのちょっとしたタスクを
一時的に横に置いておくことを
「Parking-lot」と呼ぶそうです。

あとまわしにするだけでは忘れてしまうので、
ホワイトボードに書く、スマホのリマインダーに入れる、など
どこかに必ずメモしておきます。
こうすることで、「あれやらなきゃ、覚えとかなきゃ・・・」
「あれー、何かやらなきゃと思ってたんだけど、なんだっけ・・・」
という脳の容量を減らし、集中力を節約することができます。

GTD(Getting Things Done)メソッドとも関係していると思います。
GTDとの出会いの話はまた後日書こうと思います。

で、実際育児と家事からマルチタスクを減らせるか

たぶん、減らすことはできてもゼロにはならないでしょう。
特に小さいこどもに対する場合、
「ちょっとその作業を横に置いておく」ことは
まず無理ですよね。
「ちょーっと待っててねー」と一日に何度
一歳児に言っていることか。

ただ、作業をする人数を増やすか、
作業を減らして同時進行せずに済ませることで、
マルチタスクを限りなく少なくすることはできるでしょう。

上の例で行けば、
パートナーがお風呂掃除かこどものお世話を引き受けてくれれば
料理に集中できますし、
お風呂は家事の集中しがちな夕方ではなく
日中や前日の夜に洗っておけばよいのです。

パートナーとの分担術について過去に書いております。
よかったら読んでみてください!


少しでもマルチタスクを減らすことで
気力や集中力を節約できる仕事のシステムを作ることができます。

気力を温存できれば自分時間の趣味も持てるし、キャリア形成にも体力をまわせます。

マルチタスクを減らすため、なにかほかに良い方法があればコメントいただけるとうれしいです😊


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