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「ことばのセンス」が伸びる!日記のすすめ

みなさんは、日本語をどうやって学んできましたか?


今日は、「ことばのセンス」について言語聴覚士の視点から書いていきます。

子どもが言語を学んでいく上で「ことばのセンス」が育っていることはとても大事!!


「ことばのセンス」とは?

先日、今井むつみ先生の『ことば力と思考力』を読みながら「ことばのセンス」の育て方について考えていました。

余談ですがこちら、表紙イラストが可愛い!!中の図解も可愛いイラストが豊富でした♡


さて、本書の中では、以下のような力を「ことばのセンス」と呼んでいます。

★ことばのネットワークをつくる力
(似ている意味を持つ単語の間の共通性をみつけネットワーク化する)
★一つ一つの単語の意味を太らせられる力
(ことばの意味に広がりがあり、一つの単語について、さまざまな使い方を知っている)
★抽象的なことばの意味を理解し、その知識を使ってさらに別の抽象的なことばを覚えていく力
(抽象的なことばの意味をしっかり本質まで理解することができる。)


臨床場面だけで力をつけるには限界がある

日頃、接している神経発達症の子どもたちの中には、日常会話はできますが、抽象的なことばの理解が難しいケースによく出会います。

普通に日本語を話しているのですが、、、

「○○ってどういう意味?」や「もし~したらどうする?」といった質問を自分の言葉で説明することが難しい。

知らないことばと出会ったときに、知っている言葉と結び付けて覚えていくことが苦手だったりする。

まさに「ことばのセンス」と呼ばれる力が弱いのです。


ことばのネットワークを広げるための訓練としては、

・カテゴリーことばあつめ
・ことばツリー
・説明ばくだんゲーム
・似ているところ探し

など、楽しみながら学べるような課題があります。

が、しかし!

「ことばのセンス」を伸ばしていくには、臨床場面だけでなく、日常生活の中で学んでいくことが大事になってきます!


経験しよう!振り返ろう!

公園に出かけたとき、お買い物に行ったとき、園や学校に行ったとき。

散歩中の犬を見かけたとき、博物館に行ったとき、おばあちゃんにあったとき。

題材は何でも良いのです!

経験したことをイラストや写真、ことばで振り返ることをおすすめしています。

簡単な絵日記がかけたりしたら、記録にもなるので、なお素敵です♡


子どもと一緒につくる絵日記の書き方

①こどもと対話する
その日経験した記憶に残っていることを引き出す
自発話が難しい場合は、大人が主導で
イラストや写真、パンフレットなどから興味を示すものを選びます。
②一つの場面を決めて絵を描く
子どもの姿も含めて楽しい記憶を振り返って描いてみます。
③一言コメントを書き入れる
文字が自分で書ける場合はお子さんに書き入れてもらっても良いです★
まだ仮名は読めないという子でも、大人が一言書いてあげましょう。

+αで、誰かに見せて語る機会があると、コメントをもらえたり、発展して考えることができたり、ことばが広がるチャンスになると思います。

実際に療育の場で、子どもたちが書いてきた絵日記を見せてもらうと、日常の何気ない一コマを切り取っていたり、その子の意外な一面が見られたり。

とても楽しい時間になります^^


あなたならどのような経験から「ことばのセンス」を育てていきますか?

ことばの広がりはいくつになっても続いていくものです。

子どもと絵日記。大人の自分は日記。

2020年も残りわずか、大変な1年でしたが、じっくりと振り返ってみてはいかがでしょうか。


今日はここまで!最後までお読みいただきありがとうございます。

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