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3ステップの喜び~してもらう喜び・自分でできる喜び・してあげる喜び~

今日は、全ての「親」「先生」と呼ばれる人に共有したい、人の喜びの3ステップについてです。

結論から言うと、

人の喜びには3ステップある。
「してもらう喜び」→「自分でできる喜び」→「してあげる喜び」
”してもらう”
は、簡単に手に入るがスキルアップにはならない。
”自分でできる”は、一定のスキルアップになるがそれ以上の広がりがない。
”してあげる”は、人とのつながりが生まれ自己有能感や達成感を得やすい。

「親」や「先生」と呼ばれるような人たちが注意すべきは、
自分の有能感を満たす目的で、
他人(子どもたち)の「自分でできる」を奪わないようにすること。

では、解説です。


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人が感じる喜び、特に自己有能感に関わる喜びは3ステップに分けて考えることが出来ます。

①してもらう喜び

初めのステップは【してもらう喜び】

できなくて困っていることを、誰かにしてもらうことで感じる喜びです。

子どもが靴を履く場面を例にして考えていきましょう。

”してもらう”は、まだ靴が上手くはけない子どもが、大人にはかせてもらって、すぐに出かけられて満足する様子が当てはまります。

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人にやってもらうことで、困り感から解放される喜びです。

上手くできないことを強制され続けるのは誰も苦しいものです。できる人に代わってもらって、してもらうことも大事なスキルですね。

②自分でできる喜び

次のステップは【自分でできる喜び】

上手く靴が履けなかった子どもが、試行錯誤の結果、なんとか自分で履けるようになった。自分でできるようになって嬉しい、そんな気持ちが当てはまります。

1歳後半頃から始まる「じぶんで!」「やる!」「いや!」「だめ!」は自立心の芽生えです。

(してもらった方が早いのに・・・)

(してもらった方が完成度が高いのに・・・)

と思うこともありますが、この試行錯誤が子どもの発達にはすごーく大事。と、わかっていても大人の都合でついつい手を出してしまいますが(笑)

命にかかわらないことはなるべく見守って、子ども達に試行錯誤できる環境を与え、「自分でできる喜び」による満足感を得られるようにしていきたいですね。


③してあげる喜び

最後は【してあげる喜び】

子どもは、人のお世話をすることが大好きです。

おままごとならお母さん役、先生役をしてみたり、年下の子の面倒を見てあげたり。人に何かしてあげて感謝される経験は、子どもの自尊心や自己有能感が満たされます。

自分だけでなく、誰かの困り感によりそって、「してあげる」ことが出来る人はとても素晴らしいことだと思います。

他者にしてあげる、GIVEの精神で喜びを感じられるのは、立派なことでもあります。子ども達には、困っている人がいたら自分のできることをしてあげられるになってほしいですね。


そして、ここからは視点を変えて、今日の論点、「してあげる喜び」によって満たされる”大人”が子どもの機会を奪っていないかな?ということです。(やっと本題…。)

「してあげる」という行為は、満足に直結しやすい。

”教えてあげる” ”面倒をみてあげる” ”片付けてあげる” ”お金を与えてあげる”・・・人にしてあげることは、自分のスキルを用いて行うので自己有能感が満たされやすいです。感謝もされやすいです。

してあげる、ということは、してもらう人が存在します。

してあげる

してあげる立場にいる人(特に、親・先生・上司といった立場の人)は、してもらう側の「自分でできる」力を引きだすような関わりが重要になってきます。

つまり、「してあげる」を日常的にする立場の人は、その満足感にとらわれて相手の「自分でできる」を奪っていないか?と、自覚的でありたい。

長期的にみて、いま「してあげる」ことが、相手のためになるかな?と一歩立ち止まってみる。


全て「してあげる」のではなく、少し手伝ってもらえれば、「自分でできる」というぎりぎりのステップを見つけて、ほんの少しの手伝いをする。

心理学的には「足場かけ」と呼ばれるような部分ですね。足場かけについては、こちらの記事でも書かれていました。


してあげること自体は全く悪いことではないと思います。「してあげたでしょ、感謝しなさい」という態度は違うと思いますが(笑)。

先日インスタの読書アカウントで投稿した『子ども菜根譚』にもそんな話が書いてありました。


自分の満足のために、相手の機会を奪っていないかな?と立ち止まるきっかけになればと思います。

そして、自戒の意も込めての投稿となりました。

他者との関わりについての記事はこちらもどうぞ!


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