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「嫌い」なことば は 「大事」なことば

「ことば」をかんがえる vol.03

愛してるの反対は無関心。好きと嫌いは紙一重。

これは、ことばもそうだなと思う。
「嫌い」は、実はめちゃくちゃ気になっているということだ。そして、人に言われて嫌だったことばは、好きなことばと同じくらいよく覚えている。

社会課題にアプローチするクリエイティブが得意な、辻愛沙子さんの講演で、"クリエイティブの種をどこで見つけるのか"を質問をしたことがある。「日々ニュースを見る中で感じた、怒りや悲しみの感情を大切にして、覚えておくようにしています。よく泣いてます。その感情は課題を解決したい、何かを変えたいという強い原動力になるからです。」

嫌なことは、きっぱり早急に捨ててしまうことが良いと思っていたし、怒りや悲しみは「負」の要素だから、むしろ感じない方がいいと思っていた。でも、辻さんのことばを聞いて、考えが変わった。

「嫌」
「つまらない」
「悔しかった」
「怒った」
「逃げたい」
の感情は
自分にとっての「不条理」を正すための、自分をつき動かす力になる。

わたしが今働いている会社は、3社目だ。
新卒で入った1番最初の会社で言われたことばを、今でも覚えている。

「お前は言われたことだけ、やっていればいいんだよ」

同じ仕事をしているのに、女性社員だけが、毎回お茶汲みをさせられて、なぜかを上司に聞いた時も。
「だって女の子に、お茶ついでもらった方が嬉しいでしょ」

とても憤りを感じたし、どう捻ってもわたしはそれを正しいとは思えなかった。とても悔しくて、嫌で、なぜだか涙が止まらなかった。


絶対そんな働き方をしたくない。女性だからという理由で、お茶汲みをさせられるのも、ロボットみたいに働くのも嫌だった。

理由はそれだけではないが、わたしは会社をやめて、留学をして、転職をした。女性がお茶汲みをするのが当然と思う場所にはいかない、自分で考えて動かない人が良しとされる会社では働かない。そして、ジェンダー差別をせず、自分で考えて行動する人たちとできるだけ関わっていきたい。


わたしの嫌いなことばは、わたしにこべり付いて離れないが、
それは、わたしがよりわたしらしく居られる場所へ導いてくれる原動力になっている。

言葉の企画講座の同期の子が、ブランディングについて、こう教えてくれた。

ブランディングは、"しないこと"を決めること

嫌いなことばは、ブランディングに似ている。

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