見出し画像

2年ぶりのヘアドネーション

昨日久々にヘアドネーション目的で美容院へ行ってきた。仕事柄髪をまとめておきたいのと、発達障害だと人の顔の区別がつかないから髪型や声で判別している人は案外多いので、あまり顔の周囲が変化しないよう結べる長さにしている。


きっかけは「もったいない」と思ったこと

小学校3年生頃からほぼロングヘアにしていた。長髪にしていると「髪を縛るのが面倒じゃない?」「夏は暑くない?」と聞かれるが、我が家は母から髪の毛を伸ばすなら必ず自分で結ぶことを条件にされていたのでそれこそ手慣れている。それに夏は結んだ方が襟足がスッキリするからか涼しく感じる(個人の感想です)。むしろ私にとってはショートヘアは頻繁にカットが必要で大変だと思う。

ロングヘアなら髪を乾かすのが面倒になった頃や白髪が目立ってどうにもならなくなった頃おもむろに美容院へ行けばいい。しかし、そのくらいの間隔だと美容院へ行く度に大量の毛髪が床に散らばり、それをホウキで掃除される度に「何だかもったいない…」と思っていた。

人間の毛髪はウールやシルク同様動物性の天然繊維だし、強度もある。昔は重い物(釣り鐘など)を運ぶ際に女性たちの髪の毛で作った綱を使ったいうし、有効利用できないものか?と貧乏根性で考えていた。

カツラにするという話は聞いたことがあってもどうしたらいいか分からず、当時通っていたサロンの美容師さんもあまりよく知らないようでモヤモヤしていたが、日本でもヘアドネーションの活動をしている団体ができてだんだんSNSでも報告されるようになってきた。

髪を伸ばすこと自体あまり負担に感じないから自分でもやってみよう!と思い立って伸ばし始め、2年前の1月に初めてヘアドネーションに挑戦した。

たまたま徒歩圏内にヘアドネーション賛同サロンが見つかり、切った髪の毛はお店から送ってもらった。

髪を縛れる長さまで切ってもらう→腰付近まで伸びたらサロンへ行くのを繰り返せばいいからこれなら継続できそう!ということでまた伸ばし始めた。

2年間で変化したこと

ちょうど前回のドネーション直後から日本でもコロナ禍となり、ヘアドネーション関係も少しルールなどが変更になったらしい。

まず、今までは切った髪の毛は賛同サロンさんからまとめて送れたが、今は各自で送ることになった。

賛同サロンさんなら条件に合うよう髪の毛を束ねてくださるから、自分で切る場合以外あまり神経質にならなくてもいいだろう(ちなみに私の切った髪の束はこちら。このまま封筒に入れて送ればいいようにしてある)。

画像1

長さについても現在ウィッグにする場合31センチ以上のみとなった(今までは15センチから受け付けてくれたところもあったが、長期受付休止中とのこと)。

人間の髪の毛は平均で毎月1~2cm前後伸びる(個人差あり)とのことで、31センチだとおおよそ2年半から3年ほど(私は髪が伸びるスピードが速いようで、測ったら約35cmあった)。

時間はかかるし、ロングヘアの手入れに慣れていない人には不向きだが、興味があるなら挑戦し、自分の条件に合う団体を探して寄付してみるといいだろう。

補足:こんなヘアドネーションも

中には「ヘアドネーションってやってみたいけど、流石に31センチも伸ばすのは…」という人もいるかもしれない。

15センチ以上伸ばせるなら、漆塗りに使う刷毛の材料に寄付するという手もある。

漆塗りに欠かせない漆刷毛は人毛が最適だそうだが、今ではこの刷毛を作る職人さんも減っているとのこと。自分の髪の毛で作られた刷毛が日本の文化に貢献し、もしかしたら国宝などの文化財修復にも使われるかも!?と思えば夢がある。

次回以降はこちらに寄付してもいいかなー、と思いつつ髪を伸ばし始めることにした。

最後に:髪の毛にまつわるあれこれ

ヘアドネーションでウィッグを作る活動があるというのは髪(髪型)がそれだけ人にとって社会的・文化的な意味があるとみなされているのだろう。

校則でも髪型や髪色に関するブラックなルールがようやく見直されてきたが、そもそも人の本質は変わらないはずなのにそこまで髪型や髪色であれこれ言われること自体不思議な話だ。

本来ならウィッグを装着するかどうかをもっと自由な気持ちで選択できる社会が来ることが望ましいことなのだろう、と今回この記事を書いてみて改めて感じた。

また、ヘアドネーションをする男性がまだ少数派というのも男性の長髪への偏見が関係しているのだろうからヘアドネーションしたい人が誰でも気兼ねなくできる世の中になってほしいと願ってやまない。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?