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断捨離で手放さなかった本

 去年、本の断捨離を決行しました。本好きの私にしては随分思い切ったことをしたものです。なぜ本断捨離をしたかというと、本を買いすぎたせいで、本棚を増やさなければ本の置き場所がないという事態が発生。しかし、決して広くはない我が家に本棚ばかりが増えたら生活スペースが狭くなってしまう恐れがあります。余白を愛する私、それだけは避けたい……。というわけで、夫と話し合い(ほぼ私が決めたけど)、今ある本棚に入る分だけの本を持つことにしようと決めました。
 お気に入りの本だけを残し、あとはブックオフに持って行きました。半分以上に減った本棚を見てちょっぴり切なくもなりましたが、これからここにお気に入りを並べることができるのだ、と思うとワクワクもしました。

 その断捨離で、これだけは絶対手放さない! と決めていた本があります。

 それは芥川龍之介の文庫本です。


 私が読書好きになったのは芥川の小説がきっかけでした。十代の頃ほとんど本を読んでいなかった私は、初めて『羅生門』を読んだときかなりの衝撃を受けたのです。下人が目にしたもの、老婆の言葉とそれによって傾いていく下人の心。たった数ページでありながらなんと印象深いお話であろうかと、読後思わず「ほはぁ」と声を出したのを覚えています。小説とはこれほどすごいものであったのか!! と本を遠ざけていた自分に悔しさを覚えるほどでした。その後、続けて読んだ『鼻』と『芋粥』も大変面白かったので、それから私は芥川の虜となりました。
 新潮文庫の芥川の文庫本は当時の私が、コツコツ集めたものです。手放せるわけがないですよね。



 芥川の文庫本ほどの思い入れがない、そもそもほぼ読んでいないけれど本棚に残した小説があります。

 それは、『源氏物語』です。


 角川文庫の源氏物語(與謝野晶子訳)なのですが、今はもうこの表紙じゃないですよね……。これは『源氏物語 千年の謎』という映画が公開されていたときに購入したもの。2011年の映画で……今年は2024年だから……んふ。
 未読のままずっと本棚で眠っていらっしゃるのです。なんということでしょう。『桐壺』までは読んだんですけど……ね。
 これほど読んでいないにもかかわらず手放せなかったのは、やはり『源氏物語』は私の中で一度は読んでおきたい作品だからです。
 毎年「今年こそは読むぞ!!」と思っているのですが、なかなか。今年はどうなりますことやら。noteで感想文を書ける日が来るといいなぁ。

 


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