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リビングウィル

リビングウィルとは、延命措置や尊厳死に関する希望を文書に書き残しておく生前の意思表明。患者本人が元気なうちに家族や医療・介護の専門家と話し合い、希望を残しておくことで、終末期に意思表示が難しくなっても理想の最期を迎えられます。


リビングウィルを書かないデメリットは、患者本人だけでなく、残された家族の負担が大きいこと。延命治療が長期にわたって継続されたことで、死の直前まで苦しい状態が続く
患者本人の意思が明確でないと、家族が延命治療の有無を決めなければならない
患者本人が亡くなったあと、本当に望んでいた最期だったのかと家族が不安に感じる

など、本人の意思がわからないがために、家族に精神的な苦痛を与えてしまうかもしれません。

リビングウィルで生前に意思を書き残しておけば、家族の精神的負担を和らげることにつながります。自分の望む理想の最期を叶えられますし、元気なときに自分の意思をきちんと表明しておきましょう。


リビングウィル 作成立ち合いました


5年ほど前、親族がない99歳の独居の方の入院に同行した時、医師から同席を求められ、「リビングウィル」と思われる文書を作成しました。正確な文言は覚えていませんが医療措置をどうするかの現時点での本人の意思を医師が確認しました。

 延命措置を希望するか
 心臓マッサージを希望するか
 輸血が必要になった時にするか
 酸素吸入をするか
 経管栄養を希望するか
 痛み止めの使用について
 等々

多くの項目について医師から説明があり、本人の答えを用紙に医師が記入しました。本人がサインはできたように思います。医師も署名し、最後に立会人としてケアマネの署名も求められました。

医師:今なら本人の意思を確認できる。今後、転院先を捜すときに、この書類があった方が良い。

本人はベッド上の生活でほぼ全介助だが。認知症は認められていなかった。超高齢であり、体調悪化した場合、医療措置をどうするのか、家族の同意書を得られないので本人の「リビングウィル」があった方が良いとの判断だと思う。

その後3か月程度で転院をして、次の次の転院先からは元ケアマネ(私)への連絡は無くなった。生活保護で、行政が諸手続きをするので安心だった。

リビングウィルの意義

➀ 意思表明できなくなった時に自分の望む医療を受けられる。
② 家族が決定する負担を減らす。
③ 家族がいない場合に、リビングウィルがあると、医療関係者が助かる意味がある。本人が辛いであろう医療処置をしないで済む。(これは、前記経験からの、私の推測です)


ある病院のリビング、ウィル(生前意思) の勧め

https://www.tomioka-hosp.jp/topics/topics_80.pdf

医療行為 としては、数々の延命措置があります。呼 吸器装着(気管から管を入れて器械で呼吸 する)や、胃瘻栄養(胃に穴をあけて栄養 を注入する)がその代表です。しかし不治 に状況になった時は、単なる延命、心臓が 動いているだけの延命は望まない、苦痛を 取り除き安らかな最期を迎えたいと思って いる人が大多数なのです。 しかし残念ながら、今の医療は本人の意思 が確認できない場合は、容赦なくこの延命 措置が施される可能性が高いのです。ここ で威力を発揮するのが、このリビングウィ ルです。 自分の意思を文章に残し、家族や周囲の人 に伝えておきましょう。見本の文章を病院 のサービスセンターに用意しました。この ような考えをお持ちの方は、お気軽に相談 ください。 御希望があれば質問にお答えする時間を設 定したいと思います。 すべての人が、元気で長生きをし、そして 最期は安らかに穏やかに、その人らしく旅 立てるように、“旅立ちの宣言書”というリ ビングウィルです。

リビングウィルの勧め

終末期の医療・ケアについての意思表明書(リビング・ウィル)の例文      


 私が、高齢となり意識を失うような状態におちいったり、あるいは、たとえ呼びかけには応じても 意識は朦朧としている状態になったり、あるいは、意識はあっても自分の意思を伝えることができない状態となり、自分で身の回りのことができなくなり、自分で飲むことも食べることもできなくなったときには、以下のようにしてください。

 私が自分の力では水も飲めず、食べ物も食べられなくなったら、無理に飲ませたり、食べさせたり、点滴や栄養補給をしないでください。 ましてや、鼻管を入れたり、胃瘻を作ったりは、絶対しないでください。 私が自分の力で呼吸ができなくなっても、人工呼吸器をつけないでください。
 万一、人工呼吸器がつけられている場合でも、一旦、電源を切っていただき、私の自発呼吸が戻らなかったら、人工呼吸器を取り外してください。
 少々意識があっても、場所や日時をはっきり言うことができなければ、同じように扱ってください。
 そうなったら、昇圧薬も輸血も人工透析も血漿交換などもやめてください。
 
 私の苦しくみえる状態を緩和していただける治療をしてくださるなら、喜んでお受けします。 ただし、昇圧薬や脳圧低下薬などの延命のための治療はやめてください。

 私の命を長らえるために努力をしてくださっている、お医者さん、看護師さんや医療・介護スタッフの方達には、心から感謝しています。
 努力してくださっている方たちには、たいへん申し訳ありませんが、どうか、私の意思を尊重してください。

 私はこの終末期の医療・ケアについての私の意思表明書を、意識も清明で、書いている内容を十分理解している状態で書いています。
 どうか、私の意思を尊重してください。  

   年  月  日  
           住所        
                   本人署名(自筆)          (   歳)〔印〕
                   家族署名(自筆)          (   歳)〔印〕

以上の意思表明書に変わりはないことを認めます。   
   年  月  日         本人署名(自筆)           (   歳)〔印〕
   年  月  日         本人署名(自筆)           (   歳)〔印〕
   年  月  日         本人署名(自筆)           (   歳)〔印〕
   年  月  日         本人署名(自筆)           (   歳)〔印〕
   年  月  日         本人署名(自筆)           (   歳)〔印〕

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