悪夢のはじまり
退院してから私は再び翻訳のオンライン講座に集中していた。
退院後から始まった訪問看護も週2回私のスケジュールに加わった。
看護師さんとも気が合って、足をマッサージしてもらいながらお話する時間が癒しだった。
夫は仕事が忙しく、海外出張なども頻繁に行くようになっていた。
英語でプレゼンする機会も増えてきて、私も英語の部分はできるだけ協力した。
日々の業務に追われながら、出張の準備もしなければならなかったりしている様子を見ると、私がもっと手伝えたら良いのにと思った。
夫が私を助けるばかりで、私はただ話を聞くくらいしかできない。
でも私が起きている時間に帰ってこれた日は、よく私に色々な話をしてきた。
話し好きな人だったので、私は聞き役は得意だったので良いコンビだったのかもしれない。
最近話す内容は、次はどこへ出張になりそうだとか、ゴルフに行く予定だとか、今度の休みにどこ行きたいかなどだった。
仕事が多忙を極めているのにも関わらず、ゴルフや遊びの時間も絶対に作るところがすごい人だなと私はいつも感心していた。
そんなある日の夜。
その日も夜遅くに夫が帰ってきた音がした。
私はすでにベッドで寝ていて、夫の音が聞こえて一度目は覚めたが、またウトウト眠ろうとしていた。
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