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めでたく就職

卒業後は思うように就職先が見つからず、バイトをしながらどうしようかと考えていた。

私は中学時代に米軍基地で英会話を習った頃から、米軍基地で働く事を夢見ていた。
IDをガードに提示して基地に入って行く日本人従業員を見て、カッコ良いなと憧れていた。大学の進路相談室で、どうすれば基地で働けるのか聞いていたので、思い切って履歴書を出してみることにした。

今はもうなくなってしまったシステムだが、その当時、履歴書を預かってくれる部署があり、求人を募集している部署が、その集まった履歴書の中から候補者を選び、面接に呼び出してくれるというシステムがあった。

私もそのシステムを利用し、履歴書を出していたらある日連絡が来た。

就職試験があると言われたので、ドキドキしながら試験を受けた。筆記と集団面接のような事をやった気がする。

私の世代は高校卒業時も大学卒業時も就職が厳しい時代だった。
米軍基地での就職は公務員のように安定しているので、基地での就職を希望する人は多くなっていた。
私が受けた時も、一つのポジションに15名くらいの応募者が来ていて圧倒されてしまったが、前から憧れていた米軍基地勤務をなんとか叶えたいと思い、積極的に面接にも挑んだ。

運良くそのポジションに受かり、見事に私の憧れの米軍基地での就職が叶った!
念願の仕事を得ることができ、とても嬉しい気持ちだったが、それと同時にとても不安だった。

どんな職場なのか全く見当がつかなかったし、私に出来る仕事なのか、英語はどの程度使うのかなど不安はたくさんあった。

初日は、米軍基地のゲートまで、職場の先輩が迎えに来てくれた。
米軍基地は広いので、ゲートからバスで移動しないと相当歩く場所もある。私の職場もそんな場所にあった。
ドキドキしながら先輩の車に乗せていただき、オフィスに案内してもらった。

私の職場はアットホームな雰囲気で、日本人従業員が多かった。
そこまで英語力が必要な部署でもなく、私は産休代理の期間限定のポジションだったので、仕事内容もそこまで難しくなく、初めて働くには最適な職場だったと思う。
先輩方や上司も、何もわからない私に丁寧に教えてくださり、私はとても心地良く働くことができた。

ただ最初のオフィスは二階建ての二階にあり、エレベーターはついていない古い建物だった。中にある階段を使って移動していたが、その階段を登るのが若干キツく感じていた。

毎日登っているのに足が重い。
駅まで歩くのもなんとなく足が重く感じていて、運動不足かなあと思いながら通勤していた。

私のポジションが期間限定であるのを先輩方はいつも心配してくれて、常勤のポジションの求人が出ると、お知らせしてくれていた。

その部署の居心地が良かったので、なかなか求人に応募するのも気が進まなかったが、ある日先輩方から「ここは受けた方が良い」と勧められた。
先輩方も関わりある部署で、雰囲気も良さそうとのことだった。
上司もその部署の方に連絡してくださったり、皆に応援されて受けてみたところ見事に採用になり、私は正職員として別の場所で働けることになった。

私の周りには常に助けてくれたり、応援してくれる人たちがいる。
周囲に支えられている事を忘れてはいけないとこれを書きながら感じている。

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