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7月の日記 ~わたしは無色でクセが強い~

1日(月)
2024年がもう半分も終わってしまった。
はや〜と思いつつ、正月が遠い昔のようだ。濃厚な半年だった。だけど2歳の息子にとってはもっと濃厚だっただろうな。息子に負けないくらい、残り半年を濃ゆいものにしたい。

午後、今年の『ベスト・エッセイ』が届く。すぐさまくどうれいんさんのページをひらき、圧倒的な"よい文章"に打ちひしがれた。くどうさんの文章はお守りみたいだなと思う。触れた後、すこしだけ自分の体温が上がるようなあたたかさがある。書きかけのエッセイを全部消すことにした。

2日(火)
昨日消したエッセイをゼロから書き直した。直してよかった。満足したので息子を早めに迎えに行き、園庭遊びに1時間付き合ってこちらも満足。

夜、息子が卒乳の絵本を持ってきて「おっぱいバイバイ」と言うのでドキッとする。やめてみる?と聞くと「うん」と言うので就寝時間に授乳せず、一緒に子守唄を歌う。息子も本気らしい...と寂しくなったところで、息子がニヤニヤしながら「おっぱい!」とのしかかってきた。かわいい!すぐに乳を提供しつつ、ホッとしている自分に気づき不思議に思う。早く卒乳して欲しかったはずなのに、突然やめられると超寂しい。なんだろうなこの感じ。

3日(水)
読まされすぎてもう読みたくない絵本1位を夫と言い合った。夫は『やさいさん』。わたしは『どんないろがすき』。

4日(木)
朝からフリーランス仲間よりおもしろ画像が届き、元気になる。

5日(金)
わたしは天パが嫌で縮毛矯正をしており、夫は直毛が嫌でパーマをかけているという話を担当美容師にしたら「みんな無いものねだりなんだよな。己の毛質と向き合った方が楽なのに、やらないんだよな」と言っており人生だなと思った。人生だねと伝えると「まさに!」と言われたが、縮毛矯正をあてた。夜、夫が発熱でダウンして大変なワンオペになったが、これも人生。すれ違った夫からお雑煮のにおいがして心配になった。

6日(土)
子連れでママ友とごはん=女子会のイメージだったが、実際にやる側に立つと「子どもの一挙一動に食にも会話にも集中しきれず、結局頭を使わず中断されても支障のない子どもの話だけをエンドレス繰り広げるため、キャッキャした感はない」のが現実。みなさんはどう?

7日(日)
モノレールで韓国人風の方に席を譲ってもらい、無性に泣きそうになる。やさしさは世界に溢れている。

8日(月)
ドラマ『海のはじまり』をみて、絶対に死ねないなと思った。

9日(火)
夫が出張から帰宅。出張前に喧嘩をしたが、わたしの好きなどらやきをお土産に買ってきてくれたので嫌な気もちが消滅した。ふと、昔付き合っていた人に「愛すべき単細胞」と言われたのを思い出した。

10日(水)
息子が洋服選びの際、スイカの服を指して「スイカマン!」と言う。スイカマンする?と聞くと、「スイカマンする」と言う。なににでも「マン」をつけるわたしの言葉癖がうつったようで、自分が息子に与える影響の大きさを実感。彼を「かわいいマン」と呼ぶのはしばらく控えた方がいいだろうか。

11日(木)
久しぶりの飲み会。

12日(金)
久しぶりの二日酔い。

13日(土)
夫側のジジババの家へ。たまにしか行けないため息子は会うなり人見知り全開だったが、ものの1時間でジジババ大好きに。夜にはジジババを探すために家中を一緒に徘徊させられるほど。うれしい反面、私側のジジババにはそんなに懐いてなかったような?と寂しい気もちになる。

14日(日)
みんなで水族館へ。帰宅中、チャイルドシートでうずくまっているので寝たかな?と思いきや足の裏を舐めていた。「足おいしい?」と聞いてみると「からい」とのこと。からいんだ!!とゲラゲラ笑っていると、運転中の夫がおそらく真顔で「そうか!汗をかいたから塩分が欲しかったんだな」と納得しており、こちらもおかしかった。

15日(月)
ジジババ家ラスト。祖父母家を後にした瞬間、夫が気遣いなしのスマホいじりマンに戻る現象に名前をつけたい。

16日(火)
LINEにて友だちの恋バナ相談にのる。現役を引退した身としては、恋に一喜一憂する人生がまぶしい。不安すら羨ましい。

17日(水)
進行中のプロジェクトに名前がついた記念日。仕事が恋人!

18日(木)
息子がふりかけにハマり、毎日「ふいけけ、ごあん!(ふりかけごはん)」と催促してくる。ハマったらそればっかり。わたしにそっくり。

19日(金)
体調が悪すぎるわたしに、保育園に向かう息子が玄関先で「たいとおぷ?」(おそらく大丈夫?と聞いてる)と首を傾げてくれたのがやさしすぎて「大丈夫だよ!!!大好き!!ありがとうね!!」強めに返事をすると、笑顔でパパの方へ走って行った。かわいい。幸せ。
と思ってたら夜、体調が悪すぎるわたしに何度も「おきて」と引っぱる息子。天使と悪魔が同居する。それが2歳。

20日(土)
夜、息子がなかなか寝ないので、子を夫に任せてお風呂に入ろうとすると息子号泣。すごい勢いで引き止めるので、これはとことん付き合った方がいいやつだなと抱きしめてひたすら大好きだよ、寂しかった?今日楽しかった?ママは楽しかったよ、などと声をかける。すると10分そこそこで息子が「バイバイ」と手を振り、お風呂場を指差して「いけ」みたいな雰囲気を出す。か、かっこいい...!惚れ直したぜという気もちでお風呂場に向かいつつチラ見すると、くるりと背中を向けてパパと遊び出す息子。イケメンすぎるし、この子はちゃんと色々わかってるんだなぁと思った。

21日(日)
溜め込んだ写真を現像しながらドラマ『笑うマトリョーシカ』一気見。主人公が子どもとの時間そっちのけで働く姿を見て胸が苦しくなる。わたしには「育児と仕事の両立」というテーマにおいて、なにかスイッチのようなものがあるかもしれない。

22日(月)
見積もりを出しまくる1日。

23日(火)
髪の毛を紫にして、夏だったことに気づく。大変季節外れである。

24日(水)
濃ゆい会議をした後、何も見ずに停めた駐車場代が2500円でドン引き。だけど会議が実りあるものすぎて、2500円のセミナーを受けたのだと自己暗示すると驚くほど切り替えられた。息子のお迎えが遅れたことはたいへん悔やんだ。

25日(木)
朝ごはん中、息子がうちわで遊びだした。わたしの顔をうちわで隠し「ママー、ママー」と呼び、うちわを横にずらし「ママいたー」と言う遊び。かわいい。わたしも真似してうちわを息子の顔にあて名前を呼んでみると、うちわの横からひょこっと顔を出してきた。かわいい。「いたー」と言うとニヒヒと笑う。そのやりとりを5回ずつくらいやり、ふたりでニヒヒと笑い合った。

26日(金)
久しぶりに早く寝てくれた息子が、夜中に「アソビタイ、アソビタイヨォ...」と悲しそうに寝言を言っていた。脳内で「妖怪・アソビタイ」と命名し、くくっと笑う。わたしも寝ない子どもだったらしいが、同じ気もちだったんだろうな。アソビタイヨネ。

27日(土)
ワンオペDAY。朝、息子に「ママ、おしごと」と言われ胸がチクリとする。「今日はお仕事お休みだよ。今日は一緒にたくさん遊ぼうね」と伝えたが、仕事と育児の両立ってなんだろうな、と思った。調整が効くフリーランスといえど、息子といる時間よりはるかに働いている時間が長い。そうじゃないと精神的にも金銭的にもダメな気はするが、これでいいのだろうかとは思ってしまう。

28日(日)
昨日から楽しみにしていたエイサーイベントがイマイチだったため、急遽、夜から金武町のエイサー祭りへ。最後の花火に見惚れる息子の瞳がとても美しく、わたしは花火よりもその眼に見惚れた。いい時間。来年も行こう。

29日(月)
機械トラブルで散々な1日。心底疲れたので息子を早めにお迎えに行き「ママ今日はとっても嫌なことがあったんだよ」「だから早く会いたかったんだよ」「顔見てとっても幸せになったよ、ありがとう」と伝えた。すると息子は「ママ、オシゴト」と言う。なんとなく胸がチクリとして「ママがお仕事するの、嫌?」と聞くと「ママ、オシゴト、イヤ」と言う。あーなんでそんな質問しちゃったんだろと悔やんだがもう遅い。そっかぁ、教えてくれてありがとうね。と返したあと、黙ってしまった。わたしは明日も仕事をする。しなくてはいけないし、したいと思ってしまっている。

30日(火)
数ヶ月前はこういうことで悩みたかったはずなのに、いざその局面に立ち逃げ出したくなっている自分に気づく。悩みの質が変わったことを客観視してもらい、悩みがありがたいものに変わった。状況が変わらずとも、見方次第で気分が変わる。俯瞰、という言葉がわたしには欠けている。

31日(水)
わたしの特性について「無色だけどクセが強い」というようなことを言ってもらい、なんだかすごくしっくりきた。すごくわかる。


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