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Web編集者の読書癖

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本がないと生きていけない。
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#本の感想

2021年マイベスト本【エッセイ・対談・小説・歌集】

エッセイが好きだ。対談が好きだ。小説と歌集は、文章の仕事でありながら、文章の仕事から離れさせてくれる文章として好きだ。 2021年は特に多くのエッセイを読んだ年だった。コロナ禍で自粛ばかりで、自分の心に向き合いたかったから。他者の雑談に触れないと、自分について気付く機会がとても減るのだと知ったから。 ということで、2021年読んだ中でも特に面白かった本をまとめて書き記そうと思う。今回はエッセイ、対談・往復書簡、小説、歌集。 ↓ビジネス・自己啓発はこちら。 2022年も

平成を代表する歌姫は「悲しいことのすべてが、自分と向き合うためのきっかけだった」と言った

ときどき見かける「新型コロナから学ぶ」とか「新型コロナが気付かせてくれた◯◯」みたいな表現に違和感を感じている。 そういう表現に至るのはなんとなくわかる。わたし自身、新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛や「これまで普通にできていたこと」ができなくなったことで人に感謝したり、「普通」のありがたみに気付くことはあったから。 だけどこれは、普段当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなくなったことで、有難さに気付いただけだ。わたしは突発性難聴を患ったことがあるが、耳が不自由にな

早く読むより覚えたい。素直にシンプルに読書が楽しくなる術を知る本「読んだら忘れない読書術」

むかしから「やる目的がよく分からないことをやる」というのが苦手だった。 かつてエステシャンだった頃、上司から「上司より先に帰るな」と言われたことがあるが、自分の仕事はすでに終わっていて、手伝うこともないと言われた末に残る意味がわからなかった(と、バカ正直に言って怒られた)。 それよりも早く成長したいという気持ちがいつも勝った。出世できなくても上司から嫌われても、一刻も早く帰宅して本を読みたい。周囲にいる誰よりも仕事ができる人間になりたい。上司の顔色を伺って帰宅時間を遅らせ

好きなことで生きていくより、嫌いなことを全部やめて生きる方が楽しいかもしれない

最近まで読書術についての本を読んでいたけれど、実はわたしにはちょっと変わった独自の読書習慣がある。 それは「昨日まで読んでいた本の著者が、絶対に読まなさそうな本を読む」というもの。 わたしは最近まで3冊続けて樺沢紫苑さんの読書術や時間術を読んでいたのだが、間髪容れずプロ奢ラレヤーさんの「嫌なこと、全部やめても生きられる」を読み始めた。つまり頑張る方法をひととおり学んだ後に、頑張らない生き方を学ぼうとしている。 無駄が大嫌いで、ゲームやテレビの時間がもったいないと書く樺沢