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【名古屋大学2021年度前期入試数学(理系)総評】

名古屋大学の前期入試数学(理系)の問題が全て終わりましたので、総評を行いたいと思います。

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名古屋大学東山キャンパス
2016年4月17日、DrKssn撮影、Wikipediaより

今年の名古屋大学の問題は特に難しい問題はありませんでしたが、かといって一部の大学で見られた舐めた問題を出しているわけではなく、ちゃんとした入試問題に仕上がっていたと思います。

また、一部の問題で計算量を要求されるため、難易度のわりに意外に時間がかかるなど、本番では思ったよりも点数が取れなくてがっくりと肩を落とす受験生も多かったかもしれません。

各問の難易度ですが、名古屋大学の数学(理系)の試験時間は2時間半。大問は4問なので、1問平均だと37.5分になります。

(え?2時間半になったの?2時間だと思ってた!)

この解答時間(小問の場合は37.5分を均等配分)を基準として
A = 30分以内で完答可能(時間内に余裕で解ける)
B = 37分前後で完答可能(ちょうどくらいの時間で解ける)
C = 40~50分で完答可能(時間が少しかかるけど解ける)
D = 完答可能だが手を出すのは得策ではない(大幅に時間をオーバー)
E = そもそも完答するのが難しい
という形で難易度を表現すると、私の主観では以下の通りです。

第1問. 全体B, (1) A, (2) B, (3) B, (4) B, (5) B
第2問. 全体A, (1) A, (2) A, (3) A
第3問. 全体C, (1) A, (2) C, (3) C
第4問. 全体B, (1) A, (2) A, (3) B, (4) B 

この問題セット、2時間半だと満点を取れても不思議ではないと思います。昔みたいに2時間ならば小問が多いので完答は厳しかったと思います。

今回の問題の中で一番大変なのは計算量を要する第3問です。第1問も小問が多いので時間がかかりますが、第3問は求められない確率があるかもしれないですし、求められたとしても時間がかかります。その意味で重いです。

ですので、他の問題でいかに効率よく解答していくかが重要で、第3問はいくつかの確率を求めて部分点を拾う感覚でいくのが無難な戦略だと思います。

そして、もし時間に余裕があれば第3問も完答を目指して全問制覇を目指すのがいいでしょう。

問題の質的には難しさはないですが、時間を要する点で入試らしい問題と言うのが今年の名古屋大学の印象です。

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