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【渋谷教育学園幕張中学校2020年度入試算数第3問】基本的なグラフの読み取り問題

さて、問題も半ばにさしかかってきました。第3問です。グラフを読む問題ですが、今回の問題は割と簡単だと思います。

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渋谷教育学園幕張中学校・高等学校
2008年6月20日、Kattin撮影、Wikipediaより

問題

2つの四角柱の水そう A, B があります。水そう A の深さは 30cm で,最初に深さ 6cm まで水が入っています。水そう B は深さが 40cm で水は入っていません。まず B に水を入れ始め,その 5分後に A にも B に入れる水と毎分同じ量の水を入れ始めます。下のグラフは B に水を入れ始めてからの時間と,A, B にたまる水の深さのうち深い方の深さのようすを途中(とちゅう)まで表したものです。
このとき,次の各問いに答えなさい。

(1) 水そう A の底面積は水そう B の底面積の何倍ですか。

(2) このまま水そう A, B に水を入れ続けると,片方の水そうが水でいっぱいになったとき,もう一方の水そうは水でいっぱいにはなりません。そこで途中から一方の水そうに入れる水の量をそれまでと比べて2倍にします。すると,2つの水そうが同時に水でいっぱいになりました。毎分2倍の量で水をいれたのはどちらの水そうで,何分間ですか。

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解答解説

さて、グラフを見たときに気にすべき点は2つ。7.5分より前の点と 7.5分の点。この2か所でグラフが折れ曲がっています。

ここで何かが起こっています。

まず最初に 7.5 分の点を考えてみましょう。この時刻では水そう A も B も毎分同じ量の水が入っています。したがって、水の深さが逆転したものと思われます。

ただし、7.5 分より前ではどちらが深くて、7.5 分より後ではどちらが深いのか、この時点ではわかりません。

ですが、次の2つのことがわかります。
・水そう A は 7.5 - 5 = 2.5 分で 7.5 - 6 = 1.5cm だけ水の深さが増えた
 ⇒ 毎分 1.5/2.5 = 0.6cm だけ水の深さが増える
・水そう B は 7.5 分で 7.5cm だけ水の深さが増えた
 ⇒ 毎分 7.5/7.5 = 1cm だけ水の深さが増える

ということが言えます。A と B には毎分同じ水の量が入っているので、(1) 水そう A の底面積は水そう B の底面積の 1/0.6 = 5/3 = 1(2/3) 倍となります。

ちなみに、7.5分より前の点は 5分を表していて、このとき A に水が入り始めたために 6cm から増え始めています。(5分の時点での水そう B の水の深さは 5cm で、6cm より小さい。)

(2) は水そう A と B が水で満ぱいになるまでの予定時間を計算すれば簡単に求められます。

・水そう A は (30 - 6) ÷ 0.6 + 5 = 45分
・水そう B は 40 ÷ 1 = 40分

ということで、水そう B の方が先に満ぱいになるので、(2) 水そう A の方の水の量を2倍にする必要がありますが、2倍にする時間は (45 - 40) ÷ (2 - 1) = 5分間となります。

今回の問題はグラフの読み取り問題の中では比較的簡単な問題なので、絶対に落としてはいけない問題だと思います。

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