【浦和明の星女子中学校2020年度入試算数第1問その1】小問集パート1

さて、渋幕の入試算数が全問終わり、12月はどこにしようと頭を悩ませていたのですが、一定以上の学力を有する女子がこぞって受験する、1月14日が入試日の浦和明の星を取り上げることにしました。

浦和明の星女子中学・高等学校
2018年9月23日、Urawa-akenohoshi撮影、Wikipediaより

今回は初回、第1問なので、いつもの通りに小問集となります。ただし、小問が(8)まであるので2回に分けます。

問題

(1) (0.38 + 4.14 - 4.38) ÷ ((8/5) - 1(1/25)) × (1/13) + (5 - (62/13)) を計算しなさい。

(2) ある仕事をするのに，太郎さんと花子さんの 2人で一緒(いっしょ)に行うと，4日で全体の 3/5 を終えることができました。残りの仕事を花子さんが 1人で行うと，仕上げるまでにさらに 6日かかりました。この仕事全部を太郎さんだけで行うと何日で仕上げることができますか。

(3) 下(原文は右)の図は，半径 3cm のおうぎ形と直角三角形を組み合わせたものです。2つの斜線(しゃせん)部分の面積が等しいとき，(a) (原文はア)の長さを答えなさい。ただし，円周率は3.14とします。

(4) 黒と白のご石がたくさんあります。まず，黒のご石6個で長方形の形を作り，次にその外側に白いご石をぐるっと一周並べて長方形の形を作ります。その後も，下(原文は右)の図のように，白黒交互にご石を並べて長方形の形を作っていきます。黒白あわせて210個の碁石を使ったとき，黒のご石は何個使いましたか。

解答解説

(1) は単なる計算問題ですので、どのように解いてもいいかと思いますが、しいて言えば整数部分を別処理にすることを意識するといいでしょうか。

例えば、最初の 0.38 + 4.14 - 4.38 ですが、頭から計算するよりも、4.38 + 0.14 - 4.38 と整数 4 を 4.14 から 0.38 に付け替えた方が計算が簡単になります。

また、次の (8/5) - 1(1/25) も 8/5 を 1(3/5) とした方が見通しが良い。すると、整数部分は 1 - 1 = 0 となるので、(3/5) - (1/25) を計算すればよくなります。

そうすると、式 = 0.14 ÷ (14/25) × (1/13) + (3/13) = 0.01 × 25 × (1/13) +  3/13 = ((1/4) + 3) × (1/13) = 1/4 が得られます。

(2) は、花子さんが全体の 1-(3/5) = 2/5 を 6日間で終わらせているので、全体を終わらせるには 6 × (5/2) = 15日間かかるはずです。したがって、4日間で全体の 4/15 の仕事を受け持ったはずなので、太郎君は4日間で (3/5) - (4/15) = 5/15 = 1/3 を受け持ったはずです。よって、太郎君一人で仕事全てを行うと 4 ÷ (1/3) = 12日間かかります。

(3) は、4分の1の楕円と三角形の面積が等しくなればいいので、円の面積＝9 × 3.14 ÷ 4 = 9 × 0.785 から ア = 9 × 0.785 × 2 ÷ 3 = 3 × 1.57 = 4.71cm となります。

(4) は、交互に何回ご石で囲んだかを数えます。最初は黒石が1 × 4 + 2個、次は白石が 3 × 4 + 2個、次は黒石が 5 × 4 + 2個、... と続きます。

これをたしていくと、4 × (1 + 3 + ... + 13) + 2 × 7 = 4 × 49 + 14 = 196 + 14 = 210 となるので、最後は黒石になります。

ということで、白と黒の差を取ると、1 × 4 + 2 + (5 × 4 - 3 × 4) + (9 × 4 - 7 × 4) + (13 × 4 - 11 × 4) = 6 + 8 × 3 = 30 となるので、黒石は (210 + 30) / 2 = 120個なります。

どの問題もさほど難しくはないと思いますので、テキパキと解いていけるかどうかが問題でしょうか。

しいてあげれば、(4) で 7つ目で210個になることを求めるのが面倒かもしれませんが、初項が6、等差が8 の等差数列であることが分かればどうとでもなると思います。

(3) の「隣をたすと一つの図形」は図形問題でよく使われる解法で、今回は小問ということでそれを分かりやすく出題しています。この学校の受験生のレベルで知らないということはないと思いますが、既出ですのでスムーズに使えるようにしておいてください。