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【大阪大学2021年度前期入試数学(理系)第4問】積分の皮をかぶった整数問題

第4問は積分問題のふりをした整数問題です.積分のことはあまり意識しなくてけっこうです.

この問題はあまりきれいに解こうと考えない方がいいです.素直に積分の計算をして,a, b, c からなる方程式を出してみることです.考えるのはそれから.

実際に 2(a^2+ab+b^2)+3c2+3ab=0 という方程式を出してみると,2(a^2+ab+b^2) 以外の項は 3 の倍数なので,a と b に関して何か条件が定まることが予想されます.そこで,a^2+ab+b^2 の部分から (a+b)^2 か (b−a)^2 の形を無理やり作って残りの形を見たくなると思います.

上記の (1) はそのような考えに基づいて変形しております.あとは自然な議論で進めています.

後半である (2) は c に具体的な値が代入されているので,2(a^2)+5ab+2(b^2) の部分を積の形で表したいと考えて因数分解を行っています.これは整数問題の定石ともいえる手法です.

そのことさえ分かれば,あとは難しい議論ではないと思います.とはいえ,整数問題は昔から鬼門であり,(2) どころか (1) でつまずいた受験生も多かったかもしれません.

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