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居酒屋繁盛異聞 旅が好き〜列車居酒屋〜         P71

5.ロベルト・シュンク ヤーパン紀行⑫

 黒田さんがニヤリと笑った後、真面目な顔で
「そうそう…。こうやってね。日本は子供の頃から遊びながら銃の扱いを覚えるんだ」
 は?
 日本は戦争を憲法で放棄している世界的にも珍しい国……
のはず……
だと…思っていたんだが……?

さらに…
「自衛隊の軍事演習なんかアメリカ軍が真っ青になるぐらい統制の取れたものらしいゾ。ネットの噂話だけど…」
 と、得意げに告げられた。
 私は顔が強ばりイヤ〜な汗が流れてきたのを感じる。
 まさか…日本はいつでも軍事国家になれるように準備しているのか……。

「こらこら。何にも知らない外国人をからかっちゃダメだよ」
 野崎課長が笑いながら間に入ってくれた。
「別に射的遊びは銃の扱いを覚える為じゃない。純粋に遊びだよ。最近は見かけなくなってきてるぐらいだ」
 野崎課長の言葉に私は安堵した。
「自衛隊の話は…事実かどうかはさておいて、日本人が遊びながらでも銃の扱いを覚えてきた事が演習に活かされたなんて理由からくる結果じゃないと思うよ。たぶん身内贔屓的な噂話だよ」
 よ…良かった……。
 戦争はどの国とであろうとしたくない。
 私は平和を愛している!
 隣にいるジャンもホッとした顔をしていた。

「夏祭りは平和の象徴みたいなもんさ。楽しまなきゃ!」
 私達は安心して自分達の席へと戻る。

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5.ロベルト・シュンク ヤーパン紀行⑬ へ続く



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