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「すいません」と「ありがとう」

結婚した頃から、私だったら「ありがとう」と言うだろうな、と言う場面で「すいません」と言うのが夫の口癖だった。

例えば、実家の母が毎年私たちの結婚記念日にお菓子やお花などのちょっとしたお祝いを送ってくれていて、そのお礼を言う時に「すみません」と言う。

その「すいません」にはたぶん「気を遣わせてしまってすいません」が隠れている。でも、お祝いをあげたら「申し訳ない、すみません」と謝られるよりも素直に「ありがとう!」と感謝を伝えられた方が言葉を受け取る方は嬉しいのではないかと思う。

どちらの言葉を使うかは言う人の選択の自由なのだけど、つい、夫に「『ありがとう』って言った方が喜ばれるよ。」と何回か指摘してしまった。

夫の場合は言葉に対してこだわりがないので、言葉を選んで「すいません」と言っているのではなくて「すいません」でも「ありがとう」でもどちらでも同じだと思っている節がある。だから、その2つが同じじゃないことを伝えたかった。

言葉にこだわりがないだけに、夫は私が言うことを一応聞いているけれど顔に「めんどくせー」って書いてある。私の言葉は左から右へ抜けている。そしてまた夫は「すいません」と言うのだ。

でも、ごく最近、夫が「すいません」でなく「ありがとう」と言うようになったことに気づいた。この変化は、私が言ったからという理由だけで起こったのではないのかもしれないけれど、なんだか嬉しくなってニヤニヤしてしまった。

変化に20年以上かかった。

「ありがとう」って受け取る人が嬉しくなったり、あたたかい気持ちになったりする、とってもパワーのある言葉だから、夫が「ありがとう」を使うようになってくれて嬉しい。(私にも言ってね。)


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