青春のかたまり
梅雨の晴れ間、買い物帰り。
なんだなんだ?
向こうから、ヘルメット被った自転車軍団がやって来る。
すぐ近くの中学から、ワヤワヤ一斉に下校して来る。
眩しい眩しい。
太陽が自転車の鈴に反射して、目がチカチカってなる。
一段上がった歩道には、歩きの子らもぞろぞろと。
自転車ぶつかりながらわーわー言うとる男子たち。
耳に髪の毛かけながらお喋りしている女の子。
今って中間テストかなんかなん?
まだ太陽サンサンの時間なのに。
***
「青春って、すごく密なので」
夏の甲子園で優勝した、仙台育英•須江監督の言葉。
去年、リアルタイムでそのインタビューの様子を観た。
「すごく良くない?」
一緒に観ていた夫に言ったような。
とても胸に響いたことを思い出す。
様々な制限があった中、諦めないで頑張った生徒たちに向けた、愛のある素敵な言葉だった。
***
ワヤワヤ一斉に下校してくる中坊たち。
思春期のかたまりが迫ってくる。
長く続いた制限もほぼなくなり、暑苦しい密が戻ってきた。
うるさいような嬉しいような。
チカチカ眩しかったのは、もしかして彼らそのものだったのかなぁ。
手に負えない青春のかたまりに、少し圧倒されて家についた。
梅雨明けも近いかな。
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